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この冬忍び寄る鳥インフルエンザの猛威 韓国は史上最悪の事態に

2016年12月20日(火)20時05分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 家きんの10%以上が殺処分となった韓国では、家きん農家だけでなく社会的にも大きな影響が出ている。一番大きな問題は卵が入手困難になっているということだ。卸売り価格が2.5倍に、小売りのスーパーなどでは1人1パックだけという販売制限も行われている。また、韓国の国民食キンパ(韓国海苔巻き)では卵の使用量を減らしたり、大型のベーカリーでは従業員全員が個人的に卵を買って材料を調達するなどしている。菓子メーカーなどは毎日取引先に電話をかけて卵の確保につとめているが、それでも通常の半分にも満たないため、「このままでは日本から粉末卵を輸入するしかない」と語っている。

 一方、日本でも影響が出ているところがある。例年ならばはこの時期、動物園などで干支の引き継ぎ式などが行われるが、来年は奇しくも干支が酉年。今年は多くの施設でイベントを中止したり、鳥舎を閉鎖したり、野生の水鳥が立ち寄らないように池の水を抜くなどして対応している。

 この冬アジアでは日本、韓国のほか、インド、香港、台湾などで高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されており、このうち香港では人への感染も確認された。これからも関係者にとっては緊張の日々が続きそうだ。

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