最新記事

日本経済

日本の世帯金融資産1078万円に 1年で11%も減少

2016年11月4日(金)18時58分

11月4日、日銀が公表した2016年の「家計の金融行動に関する世論調査」(2人以上の世帯)によると、金融資産の保有額は平均で1078万円となり、前年の1209万円から減少した。写真は都内で2010年8月撮影(2016年 ロイター/Yuriko Nakao)

 日銀が4日に公表した2016年の「家計の金融行動に関する世論調査」(2人以上の世帯)によると、金融資産の保有額は平均で1078万円となり、前年の1209万円から減少した。金融資産の保有目的は、高齢化の進行を背景に「老後の生活資金」との回答が過去最高を更新した。

 金融資産を保有している世帯の保有額は平均で1615万円となり、前年の1819万円から減少した。金融商品別の構成比を見ると、預貯金が55.3%と引き続き過半を占め、同53.2%から上昇。一方、株式や投資信託を中心とした有価証券が16.1%と同17.7%から低下した。

 昨年の調査期間に2万円程度だった日経平均株価が今年は1万6000円程度に下落しており、日銀では株安に伴う有価証券の時価の減少が保有額減少の要因とみている。なお、少額投資非課税制度(NISA)の保有額は前年の156万円から167万円に増加した。

 金融資産を保有していない世帯は全体の30.9%と前年から横ばい。今回、初めて調査した預貯金や証券会社などの口座に残高がない世帯と口座を保有していない世帯を合わせた、いわゆる「無貯蓄世帯」の割合は13%だった。

 金融資産の保有目的(3つまで複数回答可)では「老後の生活資金」が70.5%と引き続き最多で、水準は過去最高を更新した。次いで「病気や不時の災害への備え」が63.7%だった。

 老後の生活が「心配」と回答した世帯は全体の83.4%と前年の80.6%から上昇しており、高齢化の進行を背景とした将来不安の高まりが家計の金融行動からもうかがえる。

 調査は1953年から年1回実施しているもので、今年は6月17日から7月26日にかけて全国7808世帯を対象に行われた。このうち3497世帯(回収率44.8%)が回答した。

 (伊藤純夫)

[東京 4日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

キューリグ・ドクター・ペッパー、JDEピーツ買収で

ビジネス

トランプ米大統領、クックFRB理事を解任 書簡で通

ワールド

空売り情報開示規制、SECに見直し命じる 米連邦高

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、週明けの米株安の流れ引き
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 2
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」の正体...医師が回答した「人獣共通感染症」とは
  • 3
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密着させ...」 女性客が投稿した写真に批判殺到
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 6
    顔面が「異様な突起」に覆われたリス...「触手の生え…
  • 7
    アメリカの農地に「中国のソーラーパネルは要らない…
  • 8
    【写真特集】「世界最大の湖」カスピ海が縮んでいく…
  • 9
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 6
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 7
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中