最新記事

2016米大統領選

トランプ、同盟国も含め「テロの歴史がある」国からの移民受け入れ停止を提案

2016年6月14日(火)10時26分

 6月13日、米大統領選で共和党の候補指名を確実にしたドナルド・トランプ氏は、フロリダ州で起きた銃乱射事件を受け、大統領に選出された場合には「テロの歴史がある」国からの移民の受け入れを停止する方針を示した。写真は米ニューハンプシャー州マンチェスターで撮影(2016年 ロイター/Brian Snyder)

米大統領選で共和党の候補指名を確実にしたドナルド・トランプ氏は13日、フロリダ州オーランドのナイトクラブで12日未明に起きた銃乱射事件を受け、大統領に選出された場合には「テロの歴史がある」国からの移民の受け入れを停止する方針を示した。

この事件では、容疑者の男を含めた50人が死亡、53人が負傷した。男は犯行前、警察への電話で過激派組織「イスラム国」(IS)への忠誠を誓っていた。

トランプ氏は13日、ニューハンプシャー州で演説し、大統領に選ばれた場合にはその権限で移民管理を向上させると表明。乱射事件の容疑者の両親がアフガニスタン出身であることに触れ、「米国民を守るために大統領の権限を行使する。われわれがこうした脅威の終わらせ方を完全に理解するまでは、米国や欧州、他の同盟国に対してテロを行った歴史のある国・地域からの移民の受け入れを停止する」と語った。

民主党の大統領候補となる見通しのヒラリー・クリントン前国務長官に対しては、シリア内戦を逃れた難民の受け入れを支持する理由を説明するよう要求。「イスラム過激派は女性、同性愛者、米国民を嫌っている」と述べ、米国にいる女性、同性愛者、ユダヤ教徒、キリスト教徒を守る上で自身の政策の方が勝ると主張した。

クリーブランドで演説したクリントン氏は事件を受け、トランプ氏とは対照的に、イスラム教徒の米国人を敵視しないよう呼び掛けた。

その上で、国内外における暴力の脅威への対応として、ISの宣伝のインターネットからの削除、IS支配地域への空爆の強化、同盟国との協力強化を提案した。

また、銃規制の強化も求め、「テロリストに攻撃に必要な道具を入手させないことが重要だ。オーランドや(カリフォルニア州)サンバーナーディーノの事件で使われた攻撃用武器については特に規制すべきだ」と語った。



[ワシントン/マンチェスター(米ニューハンプシャー州) 13日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中