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やることリストよりすごいやったことリストの効用

2016年6月7日(火)16時00分
L・V・アンダーソン(スレート誌編集者)

 もっとも正直に言うと、やったことリストを作っている最大の理由は、気分がいいからだ。よくある生産性向上のテクニックのたぐいと違って、その作業自体が苦痛でないのがいい(毎日30秒もかからない)。それでいて、リストを更新するたびに満足感を味わえる。

 あきれる人もいるかもしれない。そこまでして自分で自分を褒めたいのか、と。一般に提唱されている生産性向上のテクニックにはたいてい、自分を錯覚させる要素があるものだ。それなら自分が実際に達成した成果に関心を向け、自分の気分をよくするというのも、悪いアイデアではないだろう。

 仕事の種類によっては、私のようにすべての成果をその都度記録するのが難しいかもしれない。それでも、自分の能力に自信が持てない人は、なんらかの形でやったことリストを試してみてはどうだろう。日々細かく記録するのは難しくても、1カ月単位や1年単位でなら記録できるかもしれない。あるいは、1日にやった一番重要なことを記録してもいいだろう。

 恩恵は大きい。「やることリスト」を作成するにしても、それと並行して「やったことリスト」を作れば、山積みの課題に向き合う前に、一息ついて一瞬でも満足感を味わえる。

© 2016, Slate

[2016年5月31日号掲載]

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