最新記事

サミット

日本も伊勢志摩サミットで対テロ戦争の矢面に

2015年12月2日(水)16時00分
河東哲夫(本誌コラムニスト)

 もしISISに対する地上での本格的掃討戦が始まれば、日本の対応が課題となる。ヨーロッパがNATOとして作戦を行うなら日本が直接参加を求められることはあるまい。しかしフランスは既にこの件で非難決議案を国連安保理に提出し、採択された。ロシアはウクライナでのマイナスを帳消しにするため、ロシアも加わった多国籍軍を派兵することを提唱する可能性があり、それが実現すると中国軍や日本の自衛隊も関与を求められることになる。

 中東の不安定化は、テロと裏表の関係にある難民問題も生んでいる。「日本は(昨年)難民を11人しか受け入れていない」 との数字が独り歩きしている。実は日本では難民認定審査中の者が5000人以上も滞在しているが、そうした実情を広報することも考えないといけない。

 また日本は中東から地理的に遠いので、テロや難民を生み出す背景を是正するイニシアチブを取り得る。先進国における景気の回復と格差の縮小(過度の投機抑制など)については、先進国間でコンセンサスは得やすい。他方、南北格差や途上国内での専制・格差をどう是正するかは難問だ。「レジーム・チェンジ」のような暴力的手段ではなく、先進国への出稼ぎ者や移民の枠増大、さらには先進国から途上国への大規模な所得移転によって消費・投資を刺激するなどを提唱してはどうか。

[2015年12月 1日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、FTC委員にウェザーテックCEOを指名

ワールド

12月CPIを評価、中銀独立で「良い成果」=リッチ

ビジネス

米、エヌビディア「H200」の対中輸出を承認 事前

ワールド

米、イラン在留の米市民に出国勧告 反政府デモ激化で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救った...実際の写真を公開、「親の直感を信じて」
  • 3
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が話題に 「なぜこれが許されると思えるのか」
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 8
    「お父さんの部屋から異臭がする」...検視官が見た「…
  • 9
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 7
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中