最新記事

エイジング

人には「代謝型」「免疫型」など4種類の歳の取り方が存在することが明らかに

2020年01月22日(水)18時00分
松丸さとみ

老化マーカーは改善できる

実際に、エイジオタイプ追跡の実験の2年間で、時間の経過とともに誰もが老化マーカーの数値が上がったわけではなかったという。中には、行動を変えただけで一時的にせよマーカーが低下した人もいた。老化が止まったわけではないが、老化のスピードが弱まったことを意味する。


例えば、ヘモグロビンA1c(血糖値レベルを知る指標)の値が改善した人の中には、食生活を変えたという人がいた。またクレアチン(腎臓機能を示す指標)が減少して腎臓機能が改善した人がいたが、この人はスタチン(コレステロール値を低下させる薬)を飲み始めたのだという。その他のケースについては、特に行動を変えたわけでもないのに老化マーカーが低下するといった場合もあり、数値改善の直接的な原因が何であるかははっきりしないという。

さらに、2年間の追跡調査期間中ずっと、平均よりも遅い老化ペースを維持した人もいた。しかしこれも、原因は今のところ分かっていない。

スナイダー博士によると、研究はまだ始まったばかりであるため、より具体的にどうすれば老化マーカー値を改善できるかといったことや病気にかかりにくくなるかといったことを解明するには、より多くの実験参加者の協力を得てさらに研究していく必要がある。

とはいえ、同博士は米NBCニュースに対し、自分のエイジオタイプによって、どのような健康リスクがあり、改善するにはどうすればいいかが分かれば、ライフスタイルを変えようというモチベーションになるのではないかと話し、今後の研究に意欲を示した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英中銀は8日に0.25%利下げへ、トランプ関税背景

ワールド

米副大統領、パキスタンに過激派対策要請 カシミール

ビジネス

トランプ自動車・部品関税、米で1台当たり1.2万ド

ワールド

ガザの子ども、支援妨害と攻撃で心身破壊 WHO幹部
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 3

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 4

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 5

    話題の脂肪燃焼トレーニング「HIIT(ヒット)」は、心…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 3

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 4

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 5

    タンポンに有害物質が含まれている...鉛やヒ素を研究…

  • 1

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…

  • 4

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 5

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門

特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門

2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語