最新記事

米軍事

ネイビーシールズは「人狩りマシン」

テロ組織の幹部を追跡し空から急襲する特殊部隊への依存度を高めるアメリカの戦争

2015年6月8日(月)17時47分
エイミー・ノードラム

精鋭部隊 降下訓練を行うSEALチーム6 U.S. Navy

 SEALs(米海軍特殊部隊)は最も厚い秘密のヴェールに隠された部隊の1つ。なかでも、小規模ながらイラクやアフガニスタンでアメリカの国益増進に大きな役割を果たしたのがSEALチーム6だ。

 それが今や、グローバルな「人狩り(manhunt)マシン」に変貌してしまったと、ニューヨーク・タイムズは先週末、詳細な調査記事のなかで伝えた。同紙は、「オペレーター」と呼ばれるざっと300の攻撃部隊と1500人の支援部隊を「アメリカでもっとも秘密主義で最もチェックの及ばない軍事組織」と呼ぶ。

 2011年に国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビン・ラディンをパキスタンで殺した時から、アメリカの戦闘任務におけるこのチームの重要性は急速に増していった。

 戦争のあり方が変わったせいもある。技術の進歩やテロの増加、民間人保護などのため、攻撃はしばしば、武装勢力の幹部追跡のために高度な訓練を積んだ精鋭部隊が空から急襲する方法をとる。まさにSEALsが得意とする戦法であり、そのために彼らの責任は以前よりはるかに大きなものになった。

「かつて、極めて特殊な任務のためだけに待機していた部隊が、その後戦闘を重ねてグローバルな人狩りマシンになった」と、タイムズは書く。

誰の命令にも従わない秘密軍事組織の誕生

 この報道はSEALチーム6のような特殊部隊がアメリカの先頭で担う役割について2つの疑問を投げかけている。

 SEALsはもともと、米軍にとって最も重要かつ危険な任務を遂行するために創設された。だが最近は軍も何かとSEALsに頼りたがる。SEALsなら、どんな部隊よりも素早く確実に任務を果たしてくれるからだ。

 元SEALで元上院議員のボブ・ケリーは、SEALsの出動は以前より頻繁になっていると語っている。アメリカ特殊作戦群(USSOCOM)によれば、01年9月以降で数万単位の任務をこなしている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン国会議長、米国との協議実施を否定

ビジネス

ユーロ圏消費者信頼感指数、3月は‐16.3 原油高

ワールド

米エネルギー長官、戦略石油備蓄の追加放出は「可能性

ワールド

イランとの予備的協議は「非常に良好」、イラン側も和
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 2
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に困る」黒レースのドレス...豊胸を疑う声も
  • 3
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」した──イスラエル首相
  • 4
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 5
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 6
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記…
  • 7
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 8
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    100年の時を経て「週40時間労働」が再び労働運動の争…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中