最新記事
歌手

米人気バンド、ライブ中のファンサービスが裏目に出て「大ブーイング」浴びる...大荒れの会場から無言で退場

The Killers Booed at Concert Over Russian Drummer

2023年8月18日(金)17時28分
トーマス・キカ
ザ・キラーズのジョージア公演

モニターに映るブーイングをするジョージア公演の観客(8月15日) Ekaterina Pirogova/via REUTERS

<東欧ジョージアでの公演で、ロシア人ファンをステージに呼んで、みんな「兄弟姉妹」だと語ったことに観客の怒りが爆発。コンサートは台無しに>

アメリカのロックバンド「ザ・キラーズ」が8月16日、謝罪を発表した。東欧の国ジョージアでのコンサート中に、ロシア人のファンをステージに上げ、みんな「兄弟姉妹」だと観客に語り掛けたことについてだった。発言の直後には客席から怒りのブーイングが起き、会場から出ていく観客たちの姿も多くみられた。この様子を撮影した動画は、SNSでも拡散されている。

■【動画】ザ・キラーズに浴びせられる大ブーイング...バンドは挨拶もなくステージを去った

ザ・キラーズは、2000年代初頭にラスベガスで結成されたオルタナティブロックバンドで、約20年間でグラミー賞に7回ノミネートされ、全世界で2800万枚ものアルバムを売り上げている。現在、9月上旬まで続くヨーロッパツアーの真っただ中で、15日夜には、ジョージア、バトゥミのブラック・シー・アリーナで公演を行なっていた。

公演中、ザ・キラーズはずっと以前からライブで続けてきたファンサービスとして、客席のロシア人ファンをステージに招き、ドラムを叩いてもらった。その間、フロントマンのブランドン・フラワーズは、ロシア人とジョージア人は「兄弟姉妹」だと観客に語り掛けた。

ジョージアにおいて「ロシアは占領者」

しかし両国には歴史的な因縁があるだけに、客席からはブーイングが沸き上がり、公演は台無しになってしまった。ジョージアの首都トビリシを拠点に活動するジャーナリスト、マリアム・ニクラーゼはその後、ファンたちが客席から立ち去り始め、ザ・キラーズは別れを告げることもなくステージを下りたと報告している。

ニクラーゼはまた、コンサートの動画をX(旧ツイッター)で共有した。

ニクラーゼの投稿は、ジョージアの活動家アナ・アプツィアウリの投稿に反応したものだった。アプツィアウリはザ・キラーズに対し、ジョージアにおいて「ロシアは占領者」であり、ジョージアでの公演は「今回で最後になる」と忠告した。

この一件を受け、ザ・キラーズはXの公式アカウントにメッセージを投稿し、悪気はなかったこと、ファンをステージに上げることは恒例であることを強調した。また、「兄弟姉妹」というフラワーズの発言は、バンドと観客の関係を指しており、アプツィアウリが主張しているように、ロシア人とジョージア人を指しているわけではないと弁解した。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシアがウクライナを大規模攻撃、3人死亡 各地で停

ワールド

中国、米国に核軍縮の責任果たすよう要求 米国防総省

ビジネス

三井住友トラスト、次期社長に大山氏 海外での資産運

ビジネス

台湾の11月輸出受注、39.5%増 21年4月以来
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 4
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 5
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中