ガーナのカカオ農家に誇りを 田口愛(23)を突き動かす衝撃の体験【世界に貢献する日本人】
ガーナでは政府がカカオの輸出を独占している。量に応じた均一価格での買い取りのため、カカオ農家にすれば良い豆を作る意欲が湧きにくい。そこで田口は政府と交渉し、地元に利益を還元するという条件で、独自の買い取りの実証実験を許可してもらった。
今では品質に合った価格で農家から買い取り、高品質な豆を生産できるよう一緒に努力している。農家の人々が自分のカカオに誇りを持つようになったのは大きな変化だ。
ガーナと日本を行き来しつつ、今年1月に立ち上げたブランド「MAAHA(マーハ)」のチョコレートはオンラインショップのほか、西武百貨店などでも販売されている。製造は日本の工房で行っているが、建設中の工場が完成すれば日本の衛生基準を満たすチョコをガーナから輸入できるようになる。
事業の中心メンバーは田口と共同創業者の高橋佳愛、ショコラティエやデザイナーなど7人。今後体制を拡大させるならガーナを中心に、と田口は考えている。ガーナではまだ販売されていないMAAHAチョコが、現地の空港でお土産として置かれるようになるのが一つの目標だ。
Ai Taguchi
田口 愛
●Mpraeso(エンプレーソ)CEO
(本誌11月23日号「世界に貢献する日本人30」特集では、本田圭佑、白川優子、國井修、富永愛ら、よりよい世界の力になる30人の功績を取り上げる)
2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿
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