最新記事
仕事術

「具体化と抽象化だけで、仕事の10割はうまくいく」...なぜリーダーは「抽象的」でなくてはならないのか?

2023年11月9日(木)11時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
矢印

patpitchaya-shutterstock

<社員の意識を変えるには、組織図を「90度回転する」だけだった...>

いま、ビジネスで有効だと言われているのが「具体と抽象」という概念だ。企業コンサルタントの谷川祐基氏は「具体化と抽象化だけで、仕事の10割はうまくいく」と言う。それはなぜか?

社内コミュニケーション、会議、トラブル、仕事への情熱など、仕事上の課題をすべて「具体と抽象」で解決する、新刊『仕事ができる 具体と抽象が、ビジネス10割解決する。』(CCCメディアハウス)より一部抜粋する。

◇ ◇ ◇

ピラミッド型の組織図は「上下関係」の意識をすり込む

ここで、あなたの属する組織の組織図を描いてみてもらいたい。完全なものでなくていい。

もしかして、あなたの会社には「株主総会」とか「コンプライアンス委員会」とかいったあなたのよく知らない部署があるかもしれない。そういった、よく知らないものは無視して、あなたの知っている部分だけ図にしてもらえればよい。

よくある組織図は、次のような「ピラミッド型」のものだろう(図1)。会社なら、いちばん上に社長がいて、その下に何人かの役員がいる。さらにその下に部長、課長と続き、底辺を多数の一般社員が支えている。

zu12-20231107.jpg

軍隊が発祥とされるのが、このピラミッド型組織(ヒエラルキー型組織)だ。指揮系統が単純で、トップの指令が組織全体に行き渡りやすいというメリットがある一方で、非常に不人気な組織の形でもある。

階層が多くなると指示に時間がかかるようになり、一般社員が持っている現場の情報が上部の階層にいる社長までなかなか伝わらない。

特に、組織の多数を占める一般社員からすると、重たい上部を支えて苦しむうえに自由も利かないように感じられる。まさに、エジプトのピラミッドの最下段の石のようなつらさである。

上の階層に上がろうとしても、ポストの数は上に行くほど少なくなるので出世競争は激化する。なかなか上に上がれない敗者が大量に生まれてしまう組織形態でもある。

結論から言えば、上司と部下の不幸な関係を呼んでいるのはすべて、この組織内の「上下」関係という思い込みである。

日本企業
タイミーが仕掛ける「一次産業革命」とは? 農家の「攻めの経営」を後押しするスキマバイトの可能性
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米国版の半導体の集積拠点、台湾が「協力分野」で構想

ワールド

アフガン北部でM6.3の地震、20人死亡・数百人負

ワールド

米国防長官が板門店訪問、米韓同盟の強さ象徴と韓国国

ビジネス

仏製造業PMI、10月改定48.8 需要低迷続く
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中