最新記事

環境

英首相ジョンソン、1兆5000億円規模の環境投資を勧誘 「グリーンは善」

2021年10月20日(水)10時14分
イギリスのエリザベス女王とジョンソン首相

英国のジョンソン首相は19日、97億ポンド(約1兆5000億円)相当のグリーンプロジェクトを発表し、世界のトップ金融機関や経営者を投資に勧誘した。(2021年 ロイターAlastair Grant)

英国のジョンソン首相は19日、97億ポンド(約1兆5000億円)相当のグリーンプロジェクトを発表し、世界のトップ金融機関や経営者を投資に勧誘した。

ロンドンで開催されたグローバル・インベストメント・サミットは、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)後の英国が投資家勧誘のために行ったイベントとして最大規模。エリザベス女王とのウィンザー城でのレセプションというソフトパワーも利用して、環境技術の国際競争で先んじるための資金とパートナーを求めた。

ジョンソン首相は、気候変動への対応をテーマにした開会挨拶で「政府の早急な対応も必要だが、市場を動員し、民間部門の参加を獲得する必要がある」と述べた。「実際、ここに集まった皆さんは、24兆ドル分もの資金を運用していると聞いている。皆さん一人一人に伝えたいのは、英国からとても歓迎されているということだ」と訴えた。

また、ジョンソン首相は「グリーンは善である、グリーンは正しい、グリーンは効果がある」とも強調した。

英政府が発表した民間投資案件には、スペインの再生エネルギーグループ、イベルドローラによる洋上風力発電への60億ポンドの投資や、二酸化炭素排出量を実質ゼロにするネットゼロの倉庫、廃棄物産業の脱炭素化技術などが含まれる。

英首相と米マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏はグリーン水素、長期エネルギー貯蔵、持続可能な航空燃料などの技術を対象に4億ポンド規模の共同投資パートナーシップを発表した。

ジョンソン首相の傍らで、ゲイツ氏は「規模を拡大し、コストを引き下げていく。そうすれば現在の太陽光発電や陸上風力発電のようになるだろう」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、準備金目標範囲に低下と判断 短期債購入決定

ビジネス

利下げ巡りFRB内で温度差、経済リスク綿密に討議=

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、156円台前半 FRB政策

ワールド

米下院特別委、中国軍の台湾周辺演習を非難 「意図的
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中