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フランス人と行く!四国お遍路

日本唯一のNYタイムズ「行くべき場所」は、文化体験や人との交流が魅力

2015年12月25日(金)17時10分

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太龍寺境内脇に並べられている子地蔵たち。フランス人記者のFさんもしきりに写真を撮っていた

 ここ数年、海外から注目されている日本文化がある。最長で1400キロにも及ぶ旅路を八十八のお寺に参拝しながら四国一周をする「四国お遍路」だ。

 日本文化というと、どうしても京都や奈良をイメージしがちだが、ニューヨーク・タイムズが選ぶ「2015年に行くべきベスト52の場所」に日本で唯一選ばれたのは「Shikoku(四国)」。実はお遍路は、世界的にかなり人気が出てきているのだ。

 このたび、そんな四国お遍路を、フランスの某大手紙の東京駐在記者が体験取材するという情報をキャッチし、わがままを言って同行させてもらうことに成功。駆け足の取材旅行とはいえ、フランス人記者のFさんと一緒に1週間かけて四国を一周してきた。

 なぜ今お遍路が世界的に注目されているのか、外国人から見たお遍路の魅力はどんなところにあるのか――。お遍路さん(四国お遍路を行っている参拝者)や地元の人など、道中出会った多くの人たちの視点も含め、これから3回にわたって書いていきたい。

 ここで簡単に説明しておくと、四国お遍路とは、供養や祈祷などのために四国全土にある八十八カ所のお寺を参拝して回ることを言う。昨年には四国八十八カ所霊場開創1200年記念を迎え、深い歴史のある文化でもある。

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お遍路を体験取材したフランス某大手紙の記者、Fさん


DAY 1

独特の「お接待」文化とは何か?

[霊山寺~安楽寺]

 お遍路の旅は徳島から始まる。まだ暖かい風の吹く徳島阿波おどり空港から、車で30分ほど行くと霊山寺(りょうぜんじ)。ここが、スタート地点となる第一番札所のお寺だ。

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霊山寺

 四国お遍路は、霊山寺から時計回りに四国を一周するのが基本的なスタイルで「順打ち」と呼ばれるが、実は厳密に決まった順路はない。反時計回りに回る「逆打ち」、忙しい人向けの「区切り打ち」、県ごとに回る「一国参り」など自分のスタイルに合わせてお遍路ができる。

 海外からの外国人お遍路さんには、地域ごとに特徴がある。台湾や韓国など近隣からの旅行者は、4泊5日のお遍路を区切り打ちなどで何度も通う人が多い。一方、欧米からのお遍路さんは、1~2カ月という長期間を使って順打ちで一気に回ってしまう人が多いそうだ。

 そこまで多くの人を惹きつける四国お遍路の始まりに、Fさんも私も到着早々期待が膨らんできた。

 ――と、そんな私たちを早速、お遍路独特の文化が出迎えてくれる。「お接待」文化だ。お接待とは何か?

 お遍路でのお接待には、大きくふたつの意味がある。

 ひとつは、お遍路さんをもてなすことでその人自身が徳を積むという意味。お遍路さんは道中、弘法大師の化身として金剛杖を持ち歩き、菅笠などに「同行二人」という言葉を記している。つまり、弘法大師と一緒にお遍路をしているということ。そのお遍路さんを接待することは、地元の人にとって徳の高い行為になるのだ。もうひとつは、「私の代わりにお参りをしてきてください」と自分の願いをお遍路さんに託す代参としての意味だ。

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金剛杖にも「同行二人」と記されている

プロフィール

山崎勇歩

ライター、デザイナー。1987年千葉生まれ。武蔵野美術大学卒。外資系広告代理店でのクリエイティブ職を経て、現在に至る。

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