ニュース速報
ワールド

TikTok禁止法は合憲、米控訴裁が判断 運営会社は上訴方針

2024年12月07日(土)11時11分

米ワシントン連邦控訴裁判所は6日、中国系の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国内での利用禁止につながる新法について合憲と判断した。(2024年 ロイター/Mike Blake)

David Shepardson Mike Scarcella

[ワシントン 6日 ロイター] - 米ワシントン連邦控訴裁判所は6日、中国系の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国内での利用禁止につながる新法について合憲と判断した。

同法は、TikTokの親会社である字節跳動(バイトダンス)がTikTokの米資産を売却しなければ、来年1月19日にアプリの利用を米国内で禁止する内容で、バイデン政権が今年4月に署名し成立。TikTokが合憲性を巡り訴訟を起こしていた。

控訴裁は同法について「議会と歴代大統領による広範囲にわたる超党派の取り組みの集大成」と指摘。「外国の敵対勢力による支配にのみ対処するよう注意深く策定され、中国による十分に実証された国家安全保障上の脅威に対抗するためのより広範な取り組みの一部」とした。

ガーランド司法長官は今回の判断について「中国政府によるTikTokの武器化を阻止する重要な一歩だ」と述べた。

一方、在ワシントンの中国大使館は新法を「露骨な商業的強奪行為」と批判し、「米国は両国の相互信頼と二国間関係の発展を損なわないよう慎重に対応しなければならない」と警告した。

TikTokは最高裁で争う方針だ。同社の周受資最高経営責任者(CEO)は社員へのメールで「(判決は)遺憾だが、われわれのプラットフォームにおける言論の自由を守るために闘いを続ける」と述べた。

控訴裁は中国がバイトダンスとの関係を通じ、TikTokを介して米国の言論をゆがめ、「世論を操作」する恐れがあると指摘。中国がそうした能力を持つことは言論の自由の原則と相反するとした。

今後の動きは、バイデン大統領が1月19日の米資産売却期限を90日延長するかどうか、さらに1月20日に就任するトランプ次期大統領がどのように対応するかにかかっている。

期限延長には米資産売却に向けた大きな前進を示す必要があるが、バイトダンスがこの条件を満たせるかどうかや、中国政府が売却を承認するかどうかは不透明だ。

トランプ氏は大統領在任中の2020年にTikTokと中国インターネット大手、騰訊控股(テンセント)の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」を米国で禁止しようとしたが、裁判所に阻止された。今年の大統領選中には見解を翻し、ティックトックを米国で利用禁止とすることに反対する考えを示した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英GSK、対米300億ドル投資を計画 医薬品関税に

ワールド

ロシア、「サハリン1」巡り米国と協議深める用意=外

ビジネス

ベン&ジェリーズ共同創業者が退任、親会社ユニリーバ

ビジネス

NXHD、通期業績予想を再び下方修正 日通の希望退
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 9
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中