ニュース速報

ワールド

トランプ氏「議会向かえ」と要求、警護隊ともみ合い=下院委公聴会

2022年06月29日(水)17時55分

 米連邦議会襲撃事件が起きた昨年1月6日に、トランプ前大統領が支持者と共に議事堂に向かうのを大統領警護隊(シークレットサービス)に拒否され、専用車の中でハンドルをつかもうとしていたことが分かった。6月23日、ワシントンで撮影(2022年 ロイター/Jim Bourg)

[ワシントン 28日 ロイター] - 米連邦議会襲撃事件が起きた昨年1月6日に、トランプ前大統領が支持者と共に議事堂に向かうのを大統領警護隊(シークレットサービス)に拒否され、専用車の中でハンドルをつかもうとしていたことが分かった。

下院特別委員会の公聴会でメドウズ前大統領首席補佐官の側近だったキャシディ・ハチンソン氏が28日証言した。

ハチンソン氏によると、トランプ氏は事件当日の朝、ホワイトハウス前で行う集会に参加する支持者の一部がAR15型ライフルを携帯しているとの情報について「私に危害を加えるために来たのではない」と一蹴し、会場から探知器を撤去するよう求めた。

この会話はトランプ氏の次席補佐官(オペレーション担当)だったシークレットサービス幹部トニー・オルナート氏から知らされたという。

また、支持者と共に議事堂に向かわずにホワイトハウスに戻るよう大統領警護隊に助言されると「私は大統領だ。今すぐ議事堂に向かえ」と激高し、後部座席からハンドルをつかもうとしてもみ合いになったという。

米紙ニューヨーク・タイムズと米NBCは関係筋の話として、シークレットサービスのトップだったロバート・エンゲル氏と事件当日の専用車の運転手が、トランプ氏がハンドルをつかもうとした事実はないと証言する構えだと報じた。ハチンソン氏によると、オルナート氏から当日の話を聞いた際にエンゲル氏は同室にいた。

トランプ氏は自身が立ち上げたSNS(交流サイト)「トゥルース・ソーシャル」で、議事堂に向かうためハンドルをつかもうとしたという証言は「虚偽」だとして否定した。

報道によると、シークレットサービスは声明文を出し、下院委員会に協力しており、公聴会で明らかになった新たな証言について同委員会に回答するとした。ロイターはシークレットサービスにコメントを求めたが、回答はない。

ハチンソン氏は、1月6日に暴動が起きる可能性があることをメドウズ氏が数日前に認識していたとも証言。トランプ氏の弁護士だったルディ・ジュリアーニ氏も「われわれは議事堂に行く。大統領も行く」と事前に語っていたという。

また、ホワイトハウス法律顧問だったシポローネ氏が事件の前に、トランプ氏が1月6日に議事堂に行けば「われわれは想像し得るあらゆる罪に問われることになる」と語り懸念を示していたことも明らかにした。

*動画を付けて再送します。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中