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マレーシア次期首相、イスマイルサブリ前副首相任命の公算

2021年08月19日(木)17時34分

 マレーシアのムヒディン前連立政権で副首相を務めたイスマイルサブリ・ヤーコブ氏が、前政権を構成した与党連合の支持で議会の過半数を確保し、次期政権を発足する見通しとなった。首相府で昨年10月撮影(2021年 ロイター/LIM HUEY TENG)

[クアラルンプール 19日 ロイター] - マレーシアのムヒディン前連立政権で副首相を務めたイスマイルサブリ・ヤーコブ氏が、前政権を構成した与党連合の支持で議会の過半数を確保し、次期政権を発足する見通しとなった。議員の話で19日、明らかになった。

ムヒディン氏は16日、連立与党の議員の離反を理由に首相を辞任した。

イスマイルサブリ氏が首相に就任すれば、所属する統一マレー国民組織(UMNO)が政権中枢に復活することになる。同党は政府系ファンド「1MDB」などを巡る汚職疑惑を背景に3年前の総選挙で敗北し、政権の座を追われたが、前政権ではムヒディン氏のマレーシア統一プリブミ党(PPBM)と組んで連立与党の一角を担った。

総選挙後のマハティール、ムヒディン両政権はどちらも短命に終わった。

UMNOの議員の1人は、イスマイルサブリ氏が定数222議席の議会下院で、114人の議員の支持を確保したとツイッターに投稿した。

アブドラ国王は次の首相について、議会で信任投票を行い、過半数の支持を得ていると証明するよう求める意向を示している。

同議員は19日、イスマイルサブリ氏を支持する議員114人が同日に国王と面会し、支持を確認するよう求められているとツイッターで明かした。ムヒディン前政権の連立与党の議員が含まれているとした。

ある野党議員は、アンワル元副首相に候補をほぼ一本化している野党連合は国王との会合には招かれなかったとツイッターに投稿した。

国王は20日に国内の他の高位王族と会議を開く予定で、その後に新首相を任命する見通し。

シンガポール国際問題研究所のシニアフェロー、オー・エイ・スン氏は、イスマイルサブリ政権について、過半数を若干上回る議席しか確保しておらず、安定しない可能性があると指摘。

「(イスマイルサブリ氏は)前政権に参加しており、政策の継続性はある程度まで保たれるだろう」と述べた。

イスマイルサブリ氏は61歳。ムヒディン政権では、他の閣僚と共に新型コロナウイルス対策を策定した。ムヒディン政権以前の2政権でも閣僚を務め、地方・地域開発、農業、国内貿易などを担当した。2004年から議員を務めている。

ロイター
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