ニュース速報

ワールド

米国の対中政策、戦略的競争相手は誤り=駐米大使

2021年01月28日(木)16時22分

 1月28日、中国の崔天凱駐米大使は、米国が中国を「戦略的競争相手」として扱うのは誤った判断で、間違いにつながる恐れがあると警告した。米首都ワシントンで2018年11月撮影(2021年 ロイター/Jim Bourg)

[北京 28日 ロイター] - 中国の崔天凱駐米大使は28日、米国が中国を「戦略的競争相手」として扱うのは誤った判断で、間違いにつながる恐れがあると警告した。

トランプ前政権は2008年に中国を戦略的競争相手と位置づけ、通商や新型コロナウイルスなどさまざまな問題で対立してきた。

崔氏はオンラインフォーラムで、中国のレッドライン(譲れない一線)を超えないよう米国に求める一方で、米国との平和的共存を求める中国の立場を改めて主張した。

「中国を戦略的競争相手や仮想敵国として扱うことは重大な戦略的判断ミスになる。そのような認識に基づいてまとめられた政策は深刻な戦略的間違いを導くだけだ」と指摘した。

中国は対立ではなく協力を望んでいると強調し、対話を通じた相違点の解消を求めた。

一方で主権と領土の一体性を巡る問題では譲歩しないとし「中国は引き下がらない。米国が中国の核心的利益を尊重しレッドラインを超えないことを望む」と述べた。

その上で、バイデン大統領は中国に対し多国間の協調を重視したアプローチを取ると予想されるが、反中連合は「新たな不均衡」を生み出す可能性があると警告した。

崔氏はバイデン政権が地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」への復帰や世界保健機関(WHO)からの脱退撤回を決めたことを歓迎すると表明。中国は新型コロナとの戦いや、経済・金融リスクを回避するための世界的な政策調整で米国と協力したいと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、S&P・ナスダック3週ぶり安値

ビジネス

NY外為市場=ポンド下落、英中銀の利下げを確実視

ワールド

米国防権限法案、上院で可決 過去最大の9010億ド

ワールド

米財務長官、FRB議長候補ハセット氏への懸念を「ば
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中