ニュース速報

ワールド

米、香港行政長官ら11人に制裁 自治侵害などで

2020年08月08日(土)03時08分

米財務省は7日、香港の自治侵害などを理由に、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官を含む11人を制裁対象にしたと発表した。写真は2019年11月、香港で会見する林鄭氏(2020年 ロイター/Marko Djurica/File Photo)

[ワシントン 7日 ロイター] - 米財務省は7日、香港の自治侵害などを理由に、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官を含む11人を制裁対象にしたと発表した。

制裁対象となるのは、林鄭氏のほか、香港警察トップの鄧炳強(クリス・タン)警務処長や盧偉聡前警務処長、李家超(ジョン・リー)保安局長、テレサ・チェン司法長官、香港出先機関「香港連絡弁公室」トップの駱恵寧主任、香港マカオ事務弁公室の夏宝竜主任など。米国内の資産が凍結され、米国人との取引が禁止される。

今回の制裁は、中国による香港国家安全維持法の施行を受け、トランプ大統領が先月署名した香港に対する優遇措置を廃止する大統領令に基づく。

ムニューシン財務長官は声明で、香港国家安全維持法の施行によって、香港の自治が損なわれ、中国に敵対的と見なされる個人や団体に対する弾圧の下地が作られたとの認識を示した。

林鄭氏については「自由や民主的なプロセスを抑圧する中国の政策施行の直接的責任を負う」と批判し、「米国は香港の自治を脅かすものを標的にあらゆる手段と権限を講じる」と表明した。

ポンペオ国務長官は別の声明で、制裁は「香港当局の措置は容認できないとの明確なメッセージ」とし、中国の「一国二制度」の公約に違反していると主張。ツイッターには「中国共産党やその支持者の残虐な圧制に苦しむ香港の人々を傍観することはない」と投稿した。

トランプ大統領は6日、短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を傘下に置く中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)と対話アプリ「微信(ウィーチャット)」を運営する中国の騰訊控股(テンセント)<0700.HK>との取引を45日以内に禁止する大統領令に署名した。これに対し中国外務省は7日、断固反対を表明。両国間の緊張は高まっている。

関係筋によると、林鄭氏が9月6日に予定されていた立法会(議会)の選挙を1年延期すると発表したことを受け、制裁に関する議論が強まったという。

新アメリカ安全保障センター(CNAS)のピーター・ハレル氏は、制裁は「米国による対中政策の激化」の表れと指摘。香港政府との取引は禁止されないように見えるが、制裁下でどのような取引が容認されるのかが分からず、銀行業界に不安が広がる可能性があるとした。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、米との直接交渉遮断 トランプ氏「文明破壊」

ワールド

一部原油現物が最高値、150ドルに迫る 供給ひっ迫

ワールド

イラン、サウジ・ジュベイルの石化コンビナート攻撃 

ビジネス

中東戦争がインフレ押し上げ、年内約2.75%に上昇
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 4
    「王はいらない」800万人デモ トランプ政権への怒り…
  • 5
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    【後編】BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音…
  • 8
    5日間の寝たきりで髪が...ICUに入院した女性を襲っ…
  • 9
    「人間の本性」を見た裁判官が語った、自らの「毒親…
  • 10
    スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のア…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 9
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 10
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中