ニュース速報

ワールド

英BP、第2四半期は減損で過去最大の赤字 10年ぶり減配

2020年08月04日(火)19時56分

 8月4日、英エネルギー大手BPは、新型コロナウイルス危機を受けた需要の落ち込みで過去最大となる67億ドルの最終赤字になり、10年ぶりの減配を発表した。写真は同社のロゴ。スイスのKlotenで2017年10月撮影(2020年 ロイター/Arnd Wiegmann)

[ロンドン 4日 ロイター] - 英エネルギー大手BPは4日、第2・四半期決算が、新型コロナウイルス危機を受けた需要の落ち込みで過去最大となる67億ドルの最終赤字になり、10年ぶりの減配を発表した。

BPはまた、国際石油資本(メジャー)から総合的なエネルギー会社に転換するための事業計画も発表し、石油・天然ガス生産を2019年比で40%減らす方針を示した。

最終赤字は、巨額の減損処理が原因。石油・ガス価格予想の引き下げに伴い探査資産の評価を65億ドル引き下げるなど、総額174億ドルの減損処理をした。

ルーニー最高経営責任者(CEO)は声明で、第2・四半期業績は厳しい環境とともに、エネルギーの今後と新たな会社のありかたを模索するなかで長期の価格予想を引き下げ、減損処理をしたことを反映したと説明した。

<脱石油へ行程表>

BPは9月に発表する予定の事業戦略の一部を公表し、脱石油の方針を鮮明にした。

低炭素エネルギー向け投資を2030年まで年50億ドル拡大するとともに再生エネルギーによる発電量を50ギガワット(GW)に増やす。

石油・天然ガスの生産量は2019年比で少なくとも日量100万石油換算バレル(BOE)減らす。

これらの計画に関連して2025年までに250億ドル規模の資産売却を目指す。

レッドバーンの株式アナリスト、スチュアート・ジョイナー氏は、BPの戦略転換を評価。「低炭素関連投資の収益性を巡る疑問はどうしても出てくるだろうが、BPは低炭素社会に向けた事業転換で業界の先頭を走っている」と述べた。

<10年ぶりの減配>

四半期配当は50%減の1株=0.0525ドルと、アナリストの予想(40%減)を上回る減配となった。第1・四半期は、市況が悪化する中、減配を見送っていた。

BPが前回、配当を引き下げたのは2010年。米メキシコ湾の海底油田掘削施設で爆発が起き、大量の原油が流出して対応に追われた。

純債務は409億ドル。第2・四半期は債券発行で190億ドル調達した。調達額は、業界で最高だった。

負債比率は33.1%と自社目標を上回った。格付け引き下げの可能性がでてきた。

最終損失は同社が集計したアナリスト予想の68億ドルとほぼ一致した。前年同期は28億ドルの黒字、第1・四半期は7億9100万ドルの黒字だった。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、40空港で運航10%削減へ 政府機関閉鎖で運営

ワールド

米ボーイング、737MAX墜落事故巡り犠牲者3人の

ワールド

台風25号、フィリピン死者114人に 勢力強めベト

ワールド

UPS輸送拠点、6日にも業務再開 12人死亡の墜落
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイロットが撮影した「幻想的な光景」がSNSで話題に
  • 4
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 5
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 6
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 7
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中