ニュース速報

ワールド

「トランプ効果」は報道の自由にマイナス、国連報告者が批判

2020年07月14日(火)06時07分

言論と表現の自由に関するデービッド・ケイ国連特別報告者は13日、米ホワイトハウスによるメディアへの「猛攻撃」を批判し、世界の報道の自由に対するマイナスの「トランプ効果」が及んでいるとの認識を示した。メリーランド州のアンドルーズ空軍基地で5月撮影(2020年 ロイター/JONATHAN ERNST)

[ジュネーブ 13日 ロイター] - 言論と表現の自由に関するデービッド・ケイ国連特別報告者は13日、米ホワイトハウスによるメディアへの「猛攻撃」を批判し、世界の報道の自由に対するマイナスの「トランプ効果」が及んでいるとの認識を示した。

月末に6年の任期満了を迎えるケイ氏は最後となる記者会見で、トランプ大統領の退任後、米ジャーナリストへの「攻撃」が終わることを望むとし、「この特定の大統領によるメディアへの対応が過去4年間における主要課題だったことは明白だ。メディアを中傷し、表現の自由を傷つけた」と語った。

記者批判や虚偽情報の拡散、保守派メディア機関との連携などがメディアへの猛攻撃に当たると述べた。

世界の報道の自由への影響については「明らかにトランプ効果が発生しており、非常にマイナスの効果だ」と強調。過去の米政権は報道機関への攻撃に対しより否定的だったとし、サウジアラビア人記者のジャマル・カショギ氏殺害事件に言及し、トランプ政権が世界的な「放任主義」を生み出したとの認識を示した。

ホワイトハウスのディア報道官はロイターに対し「トランプ政権ほど透明性の高い政権はかつて存在しなかった。全てのニュースが公正かつ正確であることに期待を寄せる」とした上で、「トランプ大統領はうそに屈することはない」との声明を発表した。

ケイ氏はまた、中国の「表現の自由に対する極めて抑圧的なアプローチ」を批判。さらに、国名は明確にしなかったものの、「虚偽情報の抑制を口実に情報の自由な流れを弾圧する」政府の対応は新型コロナウイルス感染を巡る状況の悪化につながったとし、懸念を表明した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、慎重な対応必要 利下げ余地限定的=セントル

ビジネス

今年のドル安「懸念せず」、公正価値に整合=米クリー

ワールド

パキスタン、自爆事件にアフガン関与と非難 「タリバ

ビジネス

今年のドル安「懸念せず」、公正価値に整合=米クリー
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 5
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 6
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 7
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    「ゴミみたいな感触...」タイタニック博物館で「ある…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中