ニュース速報

ワールド

財新の中国製造業PMI、6月は半年ぶり高水準 輸出・雇用は圧迫続く

2020年07月01日(水)12時31分

 7月1日、財新/マークイットが発表した6月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.2で、前月の50.7から上昇し、6カ月ぶりの高水準となった。ロイターがまとめたアナリスト予想は50.5だった。写真は中国で昨年6月撮影(2020年 ロイター)

[北京 1日 ロイター] - 財新/マークイットが発表した6月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.2で、前月の50.7から上昇し、6カ月ぶりの高水準となった。

政府が新型コロナウイルスの感染防止策として導入したロックダウン(都市封鎖)を解除したことが背景にある。ただ、コロナの影響は引き続き輸出と雇用の重しとなっている。

ロイターがまとめたアナリスト予想は50.5だった。PMIは50が好不況の分かれ目とされる。

多くの製造業者が引き続き海外からの受注減少や注文取り消しに直面する中、需要は引き続き抑制されている。

中国の貿易相手国では一部で経済活動再開の動きが見られるものの、多くの国は依然として感染拡大に見舞われている。各国でのこのところの感染者急増を受け、世界的な景気後退の長期化リスクも高まっている。

国内では、雇用喪失や北京での新型コロナ集団感染発生を受けた第2波への懸念から、消費者も慎重な姿勢を崩していない。

6月のPMIでは、新規輸出受注が前月から改善したものの、依然として50を下回った。

財新インサイト・グループのシニアエコノミストは「全体的な製造業需要は速いペースで回復したが、外需は引き続き足を引っ張った」と指摘した。

政府は今年、預金準備率の引き下げや、的を絞った貸し出し支援など一連の景気支援策を打ち出している。インフラ投資拡大に向けて地方債発行も増額している。

国内需要が持ち直す中でも、先行き不透明感から製造業の雇用者数は6カ月連続で減少し、人員削減ペースが加速した。政府にとって大量失業の回避は最優先事項だ。

財新インサイトのエコノミストは「雇用への圧迫を引き続き注視する必要がある。政策当局者は雇用ルート拡大の重要性を繰り返し強調している。しばらくの間、雇用拡大は骨の折れる作業になるだろう」と述べた。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米中閣僚貿易協議で「枠組み」到達とベセント氏、首脳

ワールド

トランプ氏がアジア歴訪開始、タイ・カンボジア和平調

ワールド

中国で「台湾光復」記念式典、共産党幹部が統一訴え

ビジネス

注目企業の決算やFOMCなど材料目白押し=今週の米
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 3
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水の支配」の日本で起こっていること
  • 4
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 5
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 6
    1700年続く発酵の知恵...秋バテに効く「あの飲み物」…
  • 7
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下にな…
  • 8
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 9
    【テイラー・スウィフト】薄着なのに...黒タンクトッ…
  • 10
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中