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新型コロナは新興国に「消えることのない傷」、世銀の経済見通し

2020年06月03日(水)08時02分

世界銀行は2日に公表した世界経済見通しに関する報告書で、新型コロナウイルス感染拡大やそれに伴う景気後退(リセッション)が、発展途上国と新興国に「消えることのない傷」を残すとし、産油国と金融危機に直面している国への打撃が特に大きいと指摘した。写真は5月31日、南アフリカのソウェトで撮影(2020年 ロイター/Siphiwe Sibeko)

[ワシントン 2日 ロイター] - 世界銀行は2日に公表した世界経済見通しに関する報告書で、新型コロナウイルス感染拡大やそれに伴う景気後退(リセッション)が、発展途上国と新興国に「消えることのない傷」を残すとし、産油国と金融危機に直面している国への打撃が特に大きいと指摘した。

金融危機に見舞われている新興国の経済は今後5年間で8%、産油国は11%、それぞれ縮小するとの見通しを示した。

経済の先行きは通商摩擦などにより既に悪化しているが、新型コロナ感染拡大による打撃は新興国市場のソルベンシー問題に発展する可能性が高いとの見方を示した。

世銀幹部、Ceyla Pazarbasioglu氏は、過去10年の低金利は新興国の公的・企業債務を膨らませ、それにより政策当局者が危機に対応し、事業閉鎖や雇用喪失、人的資本の悪化を防ぐ力が制約されているとした。

「既存利益やゾンビ企業の存続を目指す政策を講じれば、流動性問題を引き起こし、それがソルベンシー問題につながる」と懸念を示した。

その上で「今必要とされているのは、打撃や被害を抑える緊急措置で、また、経済危機や金融危機を引き起こした健康(感染)危機につながる政策を控えることも重要だ」と指摘した。

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