ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、香港の優遇措置撤廃を指示 国家安全法巡り

2020年05月30日(土)06時29分

トランプ米大統領は29日、香港に対する優遇措置を撤廃するよう政権に指示したと明らかにした。香港の統制強化に向けた中国政府の「国家安全法」制定計画に対抗する。28日撮影(2020年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 29日 ロイター] - トランプ米大統領は29日、香港に対する優遇措置を撤廃するよう政権に指示したと明らかにした。香港の統制強化に向けた中国政府の「国家安全法」制定計画に対抗する。

トランプ大統領はホワイトハウスで行った記者会見で、中国が香港の高度な自治に関する約束を破ったとし、香港国家安全法制定は香港や中国、世界にとって悲劇だと批判。「香港に対する優遇策を撤廃する措置を取る」とし、香港の自治の阻害に関与していると見なす人物に対し制裁措置を導入すると表明した。

米政府の対応は犯罪人引き渡しから輸出規制にわたる「香港を巡る広範な合意」が対象で、「例外はほとんどない」と指摘。「米国の措置は力強く、意味があるものとなる」と語った。

ただ、こうした措置を実施する期限は示さなかった。香港で操業している米企業は厳しい措置に反対を示しているため、時間を稼ごうとしている可能性がある。

トランプ大統領このほか、この日のうちに声明を発表し、大学研究の保全に向け、リスクがあると見なす人物について中国から米国への入国を停止することも明らかにした。

これに関連して、米政府が中国人留学生の学生ビザ(査証)取り消しを計画していることが、関係筋の話でこれまでに明らかになっている。米国の大学院で学ぶ中国人3000─5000人に影響が及ぶ可能性があるという。

トランプ氏はまた、米国民が中国企業に投資するリスクを回避するための方法を検証すると表明。「投資会社は、共有する規則の下で運営されていない中国企業に投資する不当な隠れたリスクに顧客をさらしてはならない」とし、政権内の金融市場に関する作業部会に「米国の投資家保護を目的に、米株式市場に上場する中国企業のそれぞれの慣習」を検証するよう指示したと明らかにした。

作業部会にはムニューシン財務長官、連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長、米証券取引委員会(SEC)のクレイトン委員長らが参加する。

トランプ大統領は厳しい姿勢を示しながらも、中国との対立が一段と精鋭化すれば、難航した協議の末にようやく得られた第1段階の通商合意が覆されると認識しているとみられる。香港には約1300社の米企業がオフィスを構え、約10万人を雇用。大統領はこうしたことにも配慮しているとみられる。

中国全国人民代表大会(全人代)は28日、香港国家安全法の制定方針を圧倒的賛成多数で採択。ポンペオ国務長官は、香港に対し米国内法に基づく優遇措置を認められないと議会に報告したことを明らかにしていた。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国こそが「真の脅威」、台湾が中国外相のミュンヘン

ワールド

米中「デカップリング論」に警鐘、中国外相がミュンヘ

ビジネス

ウォルマート決算や経済指標に注目、「AIの負の影響

ワールド

ドバイ港湾DPワールドのトップ辞任、「エプスタイン
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活動する動画に世界中のネット民から賞賛の声
  • 2
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 3
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 4
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 5
    それで街を歩いて大丈夫? 米モデル、「目のやり場に…
  • 6
    世界市場3.8兆円、日本アニメは転換点へ――成長を支え…
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    反ワクチン政策が人命を奪い始めた
  • 10
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 8
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 9
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 10
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中