ニュース速報

ワールド

豪中銀、2月会合で追加利下げ協議 リスクが利点上回ると判断

2020年02月18日(火)10時39分

 2月18日、豪中銀は2月理事会の議事要旨を公表した。理事会では追加利下げの妥当性について協議したが、利下げに伴うリスクが利点を上回ると判断したことが分かった。写真はシドニーの中銀前で2010年4月撮影(2020年 ロイター/Daniel Munoz)

[18日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は18日、2月理事会の議事要旨を公表した。理事会では追加利下げの妥当性について協議したが、利下げに伴うリスクが利点を上回ると判断したことが分かった。

豪中銀は4日に開いた今年最初の理事会で、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.75%に据え置き、追加利下げへのハードルが高いことを示唆した。[nL4N2A416M]

議事要旨によると、追加緩和を巡る判断は「中銀のインフレ・雇用目標に向けた前進が緩やかである」ことが主な決定要因になった。

理事会では、金利を引き下げればこれらの目標に向けた前進が加速する可能性がある一方、一段の利下げによる追加的な効果を超緩和的政策に伴うリスクに照らして検証する必要があるとの意見が出た。

そうした議論の結果、理事会は「今回の会合ではキャッシュレートを据え置くべきとの結論に至った」という。

議事要旨によると、理事会メンバーは、豪経済が完全雇用に達し、インフレ目標に到達するためには、長期にわたる低金利が必要との見方で一致した。

そのうえで理事会は「今後も労働市場などの動向を注視するとともに、必要に応じ追加緩和を行う用意が引き続きある」と表明した。

理事会メンバーは、追加利下げを行えば家計の借り入れを促し、すでに高水準にある家計債務が一段と膨らむ恐れがあると指摘した。

豪住宅市場は、2017─19年の下落分の3分の2超をわずか6カ月間で取り戻している。

中銀は足元の住宅市場の回復について、家計のバランスシートには明るい材料となっているが、個人消費への波及はまだ見られないと指摘。家計のバランスシートの調整がいつまで続くかも不透明とした。

このほか、長期にわたる森林火災や新型コロナウイルスの感染拡大も見通しを不透明にしている。

理事会は新型ウイルスの影響について、中国経済に対する「重大な」リスクであり、同国との緊密な貿易関係を踏まえると、オーストラリアにも大きなリスクだと警戒感を示した。

ただ、全体としては豪経済に関する強気の見方を維持し、緩和的な金融政策や資源・インフラ投資の持ち直し、住宅建設の回復が向こう数年にわたり成長を押し上げるとの見方を示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は反発で寄り付く、自律反発で一時300円超

ビジネス

中国SHEINとTemu、米共和党議員が知的財産窃

ビジネス

米テスラ、11月も欧州で販売低迷 仏などで前年比6

ワールド

米、連邦基準準拠の身分証ない国内線搭乗者に45ドル
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 2
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カニの漁獲量」が多い県は?
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    600人超死亡、400万人超が被災...東南アジアの豪雨の…
  • 9
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 10
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中