ニュース速報

ワールド

中国、米香港人権法で対抗措置 軍艦の寄港拒否やNGO制裁

2019年12月03日(火)10時09分

 12月2日、中国外務省は米国で香港人権・民主主義法(香港人権法)が成立したことへの対抗措置を発表した。写真は米国旗を掲げる抗議参加者。12月1日撮影(2019年 ロイター/Thomas Peter)

[北京 2日 ロイター] - 中国外務省は2日、米国で香港人権・民主主義法(香港人権法)が成立したことへの対抗措置を発表した。米軍機・艦艇の香港立ち寄りを禁止する。また、香港での暴力的な活動を支援したとして、米国に本部を置く複数の非政府組織(NGO)に制裁を科すとした。

香港人権法は、中国が香港に高度な自治を保障する「一国二制度」を守っているか、米政府に毎年検証を求めるもので、前週、トランプ米大統領が署名し成立した。中国は、これに反発し、対抗措置を講じると警告していた。

中国外務省は、米軍の立ち寄り申請の受け付けを無期限で停止したとし、さらなる措置を講じると警告。

華春瑩報道局長は会見で「米国には、誤りを正し、わが国の国内問題への干渉を止めるよう求める。中国は、香港の安定と繁栄、中国の主権を守るために必要ならさらなる措置を講じる」と述べた。

米艦艇の香港寄港は、英植民地時代以来の伝統行事で中国返還後も中国政府が認めている。ただ、米中関係が悪化してからは寄港が拒否される事例も出ている。直近では米海軍第7艦隊の旗艦「ブルーリッジ」が4月に寄港している。

米国防総省のイーストバーン報道官は声明で、香港やそのほかの地域での寄港は「船員に解放感を与え、受け入れ側との人的なつながりを拡大する」上で有意義だったと指摘。

「現在の抗議活動について我々は、不当な武力の行使を非難し、全当事者に対し、暴力を慎み、建設的な対話を行うよう求める」とした。

ある米国防総省の当局者は、今回の措置で米軍のオペレーションに支障が生じることはないと指摘した。

ヒューマン・ライツ・ウォッチやフリーダム・ハウスなどのNGOが制裁対象となった。

華報道局長は「香港の混乱の責任の一部はこれら(NGO)にあり、制裁を受け代償を払うべきだ」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

11月ショッピングセンター売上高は前年比6.2%増

ビジネス

中国の海外ブランド携帯電話出荷台数、11月は128

ワールド

日経平均は小反発、クリスマスで薄商い 売買代金は今

ワールド

タイ11月輸出、予想下回る前年比7.1%増 対米輸
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中