ニュース速報

ワールド

英EU離脱巡る不透明性解消、世界経済に恩恵=世銀総裁

2019年10月18日(金)04時38分

世界銀行のマルパス総裁は17日、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明性が解消すれば、世界的な経済成長見通しの底上げにつながるとの見解を示した(2019年 ロイター/MIKE THEILER)

[ワシントン 17日 ロイター] - 世界銀行のマルパス総裁は17日、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明性が解消すれば、先進国と新興国の双方が恩恵を受け、世界的な経済成長見通しの底上げにつながるとの見解を示した。

マルパス総裁は世銀と国際通貨基金(IMF)の年次総会で記者団に対し、英国のEU離脱を巡る先行き不透明性は双方の景気見通しの重しになっていたと指摘。問題の解決は英国とEUだけでなく、新興国経済にも恩恵をもたらすとし、「(離脱を巡る)見通しが明確になれば、経済成長環境はやや改善する」と述べた。

英国とEUはこの日、英国の離脱条件を修正することで合意した。

IMFのゲオルギエバ専務理事も英国とEUが合意に至ったことを歓迎。記者団に対し、英国が条件などで合意しないままEUを離脱すれば、経済成長率は英国が3.5─5%、EUが0.5%下押しされるとIMFは予想していたと述べた。

合意の上で離脱したとしても英経済成長率は2%下押しされるとしながらも、離脱が決まった2016年の国民投票からかなりの時間が経過していることを踏まえると、こうした影響の大部分はすでに織り込まれていると述べた。

IMFは19年の英経済成長率見通しを1.2%と、3カ月前に示した1.5%から下方修正。09年以来の低水準となる。

ゲオルギエバ専務理事はこのほか、米中が先週、部分的な通商合意に至ったことに勇気づけられたと表明。ただ両国が持続可能な「通商面での和平」に向けた取り組みを継続することを望んでいると述べた。

マルパス総裁は中国について、世界的な経済システムへの関与のほか、通商や法の支配などの面で改善余地があるとの考えを示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

赤沢再生相、ラトニック米商務長官と3日と5日に電話

ワールド

OPECプラス有志国、増産拡大 8月54.8万バレ

ワールド

OPECプラス有志国、8月増産拡大を検討へ 日量5

ワールド

トランプ氏、ウクライナ防衛に「パトリオットミサイル
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚人コーチ」が説く、正しい筋肉の鍛え方とは?【スクワット編】
  • 4
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 5
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「詐欺だ」「環境への配慮に欠ける」メーガン妃ブラ…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 10
    反省の色なし...ライブ中に女性客が乱入、演奏中止に…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 6
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 7
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 8
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 9
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中