ニュース速報

ワールド

米、イラン産原油の輸送を隠蔽した中国海運会社に警告=政権高官

2019年10月16日(水)19時21分

10月16日、米ホワイトハウスは中国の複数の海運会社に対し、米国の制裁に反してイラン産原油の輸送を隠蔽するため船舶のトランスポンダ(電波中継機)のスイッチを切ったとして警告している。写真はイランのアバダン製油所。イラク側から9月撮影(2019年 ロイター/Essam Al-Sudani)

[ワシントン 16日 ロイター] - 米ホワイトハウスは中国の複数の海運会社に対し、米国の制裁に反してイラン産原油の輸送を隠蔽するため船舶のトランスポンダ(電波中継機)のスイッチを切ったとして警告している。米政権高官2人が明らかにした。

高官の1人は匿名を条件にロイターに対し、中国の海運会社に警告を発しているとした上で「非常に危険で無責任な行為だ」と述べた。

国際海事機関(IMO)は船舶に対し、安全と透明性のためトランスポンダの利用を義務付けている。乗組員は海賊行為などの危険があればトランスポンダのスイッチを切ることができる。しかし、違法行為の実行中に船舶の位置を隠すためにトランスポンダのスイッチが切られることがある。

トランプ米大統領がイラン産原油に対する制裁を再び科して以降、残っている輸入国として中国は最大のイラン産原油輸入国。トランプ大統領は5月、イラン産原油の輸出をゼロにするため米国の制裁を強化した。

米国は9月25日、制裁に反してイラン産原油を輸送したとして、5人の中国人と中国遠洋運輸(COSCO)傘下2社に制裁を科した。

数日後、リフィニティブ・アイコンの船舶追跡データによると、COSCO傘下の大連中遠海運油品運輸が保有する船舶の約3分の1にあたる14隻が、9月30日─10月7日にAIS(船舶自動識別装置)から位置情報の送信を停止した。

大連中遠海運油品運輸は電子メールで、保有する船舶ではいずれもAISコントローラーのスイッチを切ったり、AIS信号の送信を停止したりしたことはないと説明。「自社は引き続き、事業を運営するにあたって適用される法律と規制を順守する」とした。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:軽飛行機で中国軍艦のデータ収集、台湾企業

ワールド

トランプ氏、加・メキシコ首脳と貿易巡り会談 W杯抽

ワールド

プーチン氏と米特使の会談「真に友好的」=ロシア大統

ビジネス

ネットフリックス、ワーナー資産買収で合意 720億
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 8
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中