ニュース速報

ワールド

米加NAFTA協議、乳製品や紛争解決でなお対立 7日も継続へ

2018年09月07日(金)11時48分

 9月6日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡る米国とカナダの二国間協議が続けられた。しかし、乳製品、メディア企業の保護、紛争解決プログラムの3つの問題で合意に至っていない。写真はカナダのフリーランド外相。ワシントンのカナダ大使館で撮影(2018年 ロイター/Chris Wattie/File Photo)

[ワシントン 6日 ロイター] - 北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡る米国とカナダの二国間協議を6日も続けられたが、乳製品、メディア企業の保護、紛争解決プログラムの3つの問題で合意に至っていない。米国側の関係者は、双方が意見の隔たりを埋められるか、あるいはトランプ米大統領がメキシコとの二国間合意を推進するのかはなお不透明だとの見方を示した。

同関係者によると、協議での対立点は、協定19条の紛争解決制度、文化的課題、乳製品分野の3つに絞られた。同氏は「カナダが交渉の席に着くよう働きかけている」とする一方、「カナダが乳製品分野における取り組みで後戻りしている」と指摘した。

トランプ大統領は、カナダが米国製乳製品を不当に排除していると主張。また、反ダンピング(不当廉売)関税をめぐる紛争を解決するための19条の仲裁パネルについて、米側はカナダが不当な補助金による対米材木輸出を守るために利用してきたとして、撤廃を求めている。

まだ解決に至っていない3つ目の問題は、カナダが米メディアによるカナダのテレビ局や新聞の買収を禁じる規定の維持に固執している点だ。

カナダのトルドー首相は今週、これはカナダの主権やアイデンティティーに関わる重要な問題だと主張。一方、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、カナダ企業は米国メディアを買収できると指摘し、「文化の保護主義政策だ」と批判した。

カナダのフリーランド外相は、夕方のライトハイザー代表との会談後、協議は「順調に進んでいる」と述べた。交渉の具体的な内容にはコメントしなかったが、7日も協議を継続すると明らかにした。

一方、ブルームバーグによると、カナダ政府高官は、今週の合意を見込んでいないと述べた。

米下院歳入委員会のブレイディー委員長は記者団に、カナダの乳製品を巡る数量規制や紛争解決手続きなどの問題で双方の意見に開きがあると述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、米労働市場の弱さで利下げ観

ワールド

メキシコ中銀が0.25%利下げ、追加緩和検討を示唆

ビジネス

米国株式市場=下落、ハイテク企業のバリュエーション

ワールド

エジプト、ハマスに武装解除を提案 安全な通行と引き
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 5
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 8
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 9
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 10
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中