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インドネシア中銀が臨時会合で政策金利引き上げ、追加利上げ示唆

2018年05月31日(木)00時47分

 5月30日、インドネシア中銀は臨時の政策決定会合で、予想通り政策金利の7日物リバースレポ金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ4.75%とすることを決定した。写真はインドネシア中銀のロゴ。昨年1月撮影(2018年 ロイター/Fatima El-Kareem)

[ジャカルタ 30日 ロイター] - インドネシア中銀は30日に開催した臨時の政策決定会合で、予想通り政策金利の7日物リバースレポ金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ4.75%とすることを決定した。

17日にも25bpの利上げを実施しており、2週間で2回目の利上げとなった。

ルピア押し上げと資金流出抑制の観点から、一段の利上げの可能性を示唆した。ペリー・ワルジヨ新総裁にとって初めての政策決定会合だった。

総裁は会見で「慎重にさらなる利上げの余地を活用するため、今後も政策金利を国内外の状況を踏まえて調整することが将来の政策の方向性だ」と述べた。

総裁は26日、2014年11月以来となる臨時会合の開催を発表。ロイター調査では、アナリスト18人中17人が追加利上げを予想していた。

バークレイズ(シンガポール)のエコノミスト、Rahul Bajoria氏は、「2週間で2回の利上げは、新総裁が金融の安定に非常に真剣で、主に外部要因によるリスク管理に予防的である意思を強烈に示した」と述べた。

OANDAのアジア太平洋通貨取引の責任者、スティーブン・イネス氏は中銀の決定について「為替第一でありそれ以外にない」と述べた。

中銀声明はタカ派的な内容だったが、追加利上げのペースや幅はエコノミストでも見方が異なる。キャピタル・エコノミクスは顧客メモで「年内の追加利上げを予想しているが、2013年のような積極的な引き締めサイクルの復活が選択肢という考えには懐疑的だ」とし、その理由としてインドネシアのファンダメンタルズ改善を挙げた。

ルピアは今年に入りアジアで最も値下がりしている通貨の一つ。利上げ発表後もほぼ変わらずで、1ドル=1万3985ルピアで引けた。先週には一時2年以上ぶりの安値を付けていた。

総裁は、6月の中銀会合では「マクロ・プルーデンスな」規則の緩和が議題となるとし、新たな規則が「間もなく」発表されると述べた。住宅ローンについての言及はあったが、詳細は明らかにしなかった。

金融調査会社サミュエル・インターナショナルのマネジングディレクター、ハリー・ス氏は「中銀は、経常赤字拡大の可能性や原油高によるインフレ圧力などについて、より能動的でフォワード・ルッキングな政策を実施している」と指摘した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
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