ニュース速報

ワールド

中国国家主席の任期撤廃、「北朝鮮化」とネットで批判も

2018年02月27日(火)18時06分

 2月26日、中国共産党が国家主席の任期撤廃のための憲法改正を提案したことを受け、25日遅くには中国の一部ソーシャルメディアで批判する投稿が相次ぎ、香港の民主化運動家からも非難する声が挙がった。写真は習近平国家主席。1月北京での代表撮影(2018年/ロイター)

[北京 26日 ロイター] - 中国共産党が国家主席の任期撤廃のための憲法改正を提案したことを受け、25日遅くには中国の一部ソーシャルメディアで批判する投稿が相次ぎ、香港の民主化運動家からも非難する声が挙がった。

こうした反応に対し中国政府は、一部の記事を閲覧できなくする一方で党をたたえる記事を掲載するなど、批判を抑え込む動きに出ている。

共産党の憲法改正案が実現すれば、習近平国家主席(64)は2023年以降も続投できることになる。

ミニブログ「微博(ウェイボー)」のユーザーは「ああ、われわれは北朝鮮になるのか」と嘆きの声を投稿。別のユーザーも「隣国の前例にならっている」とのコメントを記した。

この後、ウェイボーは「2期限定」の検索用語を利用できなくし、これらの投稿も25日遅くに削除された。

また、国営の環球時報紙は社説で、改正は主席の任期が終身になるという意味ではないと説明したが、詳細には触れなかった。

共産党機関紙の人民日報もさまざまな人々の話を引用し、大半の人々は改正を支持していると伝えた。

人民日報の「微信(ウィーチャット)」のアカウントは当初、記事に好意的なコメントを掲載していたが、25日遅くにコメントセクション全体が一時使えなくなった。

発表の影響は香港にも広がった。

香港の民主化運動の指導者の1人、ジョシュア・ウォン氏は「1個人への政治権力の集中を容認する今回の動きは、中国が再び、国家の長に習近平という独裁者を据えることを意味する」と批判。

「中国に法律は形式的に存在しているかもしれないが、今回の動きは、中国の法律が個人と党の目的をかなえるために存在していることを証明している」と指摘した。

米ホワイトハウスのサンダース報道官は「中国が国にとって何が最善かを決定した」と述べ、干渉しない考えを示した。

トランプ大統領は26日、北朝鮮問題での習主席の支援を持ち上げ、「私との関係のため、中国はおそらくこれまで以上のことに取り組んでいる」との考えを示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

原油先物は小幅安、OPECプラス増産観測や米関税を

ビジネス

第一生命HDと丸紅、国内不動産対象の4000億円フ

ワールド

G7外相、イスラエル・イラン停戦支持 核合意再交渉

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、短期的な過熱感で利益確定
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 6
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 8
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中