ニュース速報
ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の建て直し急ぐ=関係筋

2025年04月26日(土)18時06分

 日産自動車が、中国・湖北省にある武漢工場の生産から撤退する方針を固めたことが分かった。写真は2021年4月、上海自動車ショーで撮影(2025年 ロイター/Aly Song)

Maki Shiraki

[東京 26日 ロイター] - 日産自動車が、中国・湖北省にある武漢工場の生産から撤退する方針を固めたことが分かった。世界的な販売低迷で業績が悪化する中、特に現地の工場稼働率が低下している中国事業の再建は急務で、2025年度中にも生産を終了する。関係者2人が明らかにした。

武漢工場は中国の東風汽車との共同出資で22年に稼働したばかり。世界戦略車の電気自動車(EV)「アリア」やスポーツ多目的車(SUV)「エクストレイル」を生産していた。年間生産能力は30万台だが、関係者1人によると、稼働開始以降、生産規模は約1万台にとどまっていた。24年からは東風汽車が独自ブランドのEVを生産している。

日産広報はロイターの取材に対し、コメントを控えた。

世界最大の自動車市場の中国では、EV大手の比亜迪(BYD)など現地メーカーとの競争が激しく、日本勢は劣勢を強いられている。日産も24年度の現地での生産が約61万台、販売は約65万台といずれも前年度から18%ほど減少、販売規模は18年の半分以下に落ち込んでいる。

日産は昨年6月に江蘇州にある常州工場でも生産を停止。武漢での生産終了後の中国での生産は4拠点となる。現地の年間生産能力を150万台から100万台へ減らす計画で、中国から海外へ年10万台の輸出も予定している。

同社は23日、中国事業を立て直すため26年末までに100億人民元(約2000億円)を中国で追加投資する計画を表明。日産ブランドによるEVなどの新エネルギー車(NEV)を27年夏までに9車種投入する方針を打ち出した。

24日には2025年3月期の連結最終損益が7000━7500億円の赤字(前の期は4266億円の黒字)となる見通しを発表。比較できる1986年3月期以降、過去最大の最終赤字に転落する。中国や米国など主力市場で販売低迷していることに加え、北米、中南米、欧州、日本で工場など資産価値を見直して5000億円超の減損損失や600億円超の構造改革費用を計上する。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏「人生で最高の栄誉の一つ」、異例の2度目

ワールド

ブラジル中銀が金利据え置き、2会合連続 長期据え置

ビジネス

FRB議長、「第3の使命」長期金利安定化は間接的に

ワールド

アルゼンチンGDP、第2四半期は6.3%増
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中