ニュース速報
ビジネス

東京メトロ10月上場、売出額3195億円 6年ぶり大型IPO

2024年09月20日(金)16時21分

 9月20日、東京地下鉄(東京メトロ)は、新規上場に伴う株式の売り出しを決議した。写真は財務省前にある東京メトロの駅の看板。都内で8月撮影(2024年 ロイター/Miho Uranaka)

Miho Uranaka Takaya Yamaguchi Sam Nussey

[東京 20日 ロイター] - 東京証券取引所は20日、東京地下鉄(東京メトロ)の上場を承認した。東京メトロは民営化から20年を経て、10月23日にプライム市場へ上場する。約6年ぶりの大型上場で、最大株主の日本政府は売却収入を東日本大震災の復興財源に充てる。

東京メトロは同日、上場に際して発行済みの半分に当たる2億9050万株を売り出すことを決議した。売り出しの想定価格は1株1100円で、総額3195億円を見込む。金融情報を扱うロンドン証券取引所グループ(LSEG)のデータによると、2018年のソフトバンク以来、約6年ぶりの大型上場となる。上場時の時価総額は6391億円の見通し。

IPOを統括する共同主幹事(ジョイント・グローバル・コーディネーター)は野村証券、みずほ証券、ゴールドマン・サックス証券が務める。

東京メトロ株は国が53.4%、都が46.6%を保有し、合わせて50%をそれぞれ同率で売却する。東日本大震災の復興財源確保法は、国が27年度までに確保した東京メトロ株の売却収入を復興債の償還費用に充てると規定している。

東京メトロの歴史は、1920年に設立された東京地下鉄道株式会社にさかのぼる。7年後に東京の浅草と上野を結ぶ日本初の地下鉄を開通。帝都高速度交通営団(営団地下鉄)を経て現在の路線網は195キロに広がり、新型コロナウイルス禍の影響が残る2022年度の乗客数は約21億人だった。日本民営鉄道協会に加盟する16社中、2位の東急電鉄に2倍以上の差をつけてトップだった。

2004年の民営化とともに東京メトロに改称すると、上場に向けて準備を進めたが、都営地下鉄との「一元化」を求める石原慎太郎知事や猪瀬直樹副知事(いずれも当時)が株式売却に反対し、上場議論はしばらく立ち消えとなった。

しかし、21年7月に国土交通省の諮問機関が「復興財源を確保し、将来世代に負担を先送りしないためにも、株式売却を早期に進めていく必要がある」と答申。上場への動きが道が開けた。東京8号線(有楽町線)の豊洲─住吉間の延伸、白金高輪と品川を結ぶ品川地下鉄構想の整備を確実に進めるため、国と都が株式の半分を当面保有し続けることも提言した。

(浦中美穂、山口貴也、Sam Nussay 編集:久保信博)

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

11月米自動車販売、フォード・現代自は小幅減 EV

ワールド

国際貿易と金融システムの調和が重要、対応怠れば途上

ワールド

ウクライナ和平案巡る米特使との協議、「妥協に至らず

ビジネス

エヌビディア、オープンAIへの1000億ドル投資は
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 3
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 4
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 5
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 6
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 9
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 10
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中