ニュース速報

ビジネス

2011年の米格下げ「正しい判断」とS&P元幹部、政治二極化で

2023年05月26日(金)15時21分

 5月26日、米国が格下げリスク直面する中、格付け会社S&Pグローバル(旧スタンダード・アンド・プアーズ)の元幹部らは、2011年に米国の格付けを引き下げた判断は正しかったとの見方を示した。写真は24日、ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 26日 ロイター] - 米国が格下げリスク直面する中、格付け会社S&Pグローバル(旧スタンダード・アンド・プアーズ)の元幹部らは、2011年に米国の格付けを引き下げた判断は正しかったとの見方を示した。

S&Pは当時、連邦債務上限を巡る交渉が妥結したにもかかわらずその数日後に米国の長期信用格付けを最上級の「AAA」から「AAプラス」に引き下げた。財政再建計画が債務安定化に不十分と判断した。

ソブリン格付け担当責任者だったデービッド・ビアーズ氏は「われわれは米政治の二極化が続くと考え、債務の増加傾向についても懸念していた」と説明。「その両面で予想を超える状況となった。正しい判断だったと完全に確信している」と述べた。

格下げは当時のオバマ政権や議会指導部の一部から激しい批判を受けた。

S&Pソブリン格付け委員会の責任者だったジョン・チャンバース氏によると、格下げの4カ月前には見通しを「ネガティブ」にし、政府には格下げの正式発表の約24時間前に通知していたという。

S&PはAAプラスの格付けを現在も維持し、見通しは安定的となっている。

格付け会社フィッチは24日、米国の「AAA」長期外貨建て発行体格付けを格下げ方向のウォッチネガティブに指定した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

サマーズ氏、オープンAI取締役辞任 エプスタイン元

ワールド

ゼレンスキー氏、トルコ訪問 エルドアン大統領と会談

ワールド

米政権、消費者金融保護局局長にOMB幹部指名 廃止

ビジネス

米8月の貿易赤字、23.8%減の596億ドル 輸入
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、完成した「信じられない」大失敗ヘアにSNS爆笑
  • 4
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 5
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    衛星画像が捉えた中国の「侵攻部隊」
  • 8
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 9
    ホワイトカラー志望への偏りが人手不足をより深刻化…
  • 10
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中