ニュース速報

ビジネス

米ウォルマート、通期予想引き上げ 価格訴求で競合他社と明暗

2023年05月19日(金)01時53分

米小売大手ウォルマートは18日、2024年1月期の通期決算の売上高と利益の予想を引き上げた。消費者が食品など必需品で割安な商品を求めていることが背景にある。(2023年 ロイター/Dado Ruvic)

[18日 ロイター] - 米小売大手ウォルマートは18日、2024年1月期の通期決算の売上高と利益の予想を引き上げた。消費者が食品など必需品で割安な商品を求めていることが背景にある。

売上高の見通しは前期比約3.5%増と、従来の2.5%─3%から引き上げた。1株当たり利益は6.10ドル─6.20ドルと、従来の5.90ドル─6.05ドルから引き上げた。

リフィニティブのデータによると、市場予想の平均は6.16ドルだった。

同業のターゲットやホームデポが消費者需要の低迷を理由に慎重な見通しを示したのとは対照的に、ウォルマートは第2・四半期の業績見通しも市場予想を上回った。

ウォルマートはこれまで、第1・四半期決算発表時に通期見通しを引き上げることはなかった。ジョン・デイビッド・レイニー最高財務責任者(CFO)は「現下の特殊な環境下で、継続的な枠組みを提供することが重要」と判断し、この伝統を破ったと指摘した。

同CFOは「消費者の購買力が低下しているため消費者の収入や財布の中身が食品に向けられており、一般消費財の販売が減っている」と述べた。

ウォルマートはサプライヤーに最安値を求めると同時に、スーパーセンターの改装を行い、ウェブサイトやアプリのデザインも一新。会員制プログラムにも多額の投資を行い、配送料無料やガソリン値引きなどの特典を提供した。

ダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)は決算後の電話会見で、「低価格と食料品の配達や店舗受け取りといった利便性の両方を求める富裕層やZ世代顧客の獲得に貢献した」と述べた。

同時に発表された第1・四半期(23年2─4月)決算で総売上高は前年同期比7.6%増の1523億ドルと、市場予想の1487億6000万ドルを上回った。

調整後の1株当たり利益は1.47ドルと、予想を上回った。営業利益は17.3%増。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

三菱UFJフィナンシャル・グループ
幅広いニーズに応える新NISAの活用提案──MUFGが果たす社会的使命
今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

原油先物が上昇、米の戦略備蓄向け購入計画が支援

ワールド

与えられた職責を果たしていきたい=更迭報道で松野官

ワールド

香港区議会選、投票率27.5%で過去最低 民主派排

ワールド

イスラエル首相がプーチン氏と会談、停戦決議案支持に
MAGAZINE
特集:イスラエルの過信
特集:イスラエルの過信
2023年12月12日号(12/ 5発売)

ハイテク兵器が「ローテク」ハマスには無力だった ── その事実がアメリカと西側に突き付ける教訓

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「未来の王妃」キャサリン妃が着用を許された、6本のネックレスとは?

  • 2

    ショッピングモールのデザインが「かつての監獄」と同じ理由

  • 3

    「ホロコースト」の過去を持つドイツで、いま再び「反ユダヤ」感情が上昇か...事件発生数が急増

  • 4

    下半身が「丸見え」...これで合ってるの? セレブ花…

  • 5

    中身が「透けすぎ」...米セレブ、派手なドレス姿で雑…

  • 6

    大統領夫人すら霞ませてしまう、オランダ・マキシマ…

  • 7

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 8

    英ニュースキャスター、「絶対に映ってはいけない」…

  • 9

    キャサリン妃の「ジュエリー使い」を専門家が批判...…

  • 10

    完全コピーされた、キャサリン妃の「かなり挑発的な…

  • 1

    「未来の王妃」キャサリン妃が着用を許された、6本のネックレスとは?

  • 2

    シェア伸ばすJT、新デバイス「Ploom X ADVANCED」発売で加熱式たばこ三国志にさらなる変化が!?

  • 3

    下半身ほとんど「丸出し」でダンス...米歌手の「不謹慎すぎる」ビデオ撮影に教会を提供した司祭がクビに

  • 4

    反プーチンのロシア人義勇軍が、アウディーイウカで…

  • 5

    下半身が「丸見え」...これで合ってるの? セレブ花…

  • 6

    周庭(アグネス・チョウ)の無事を喜ぶ資格など私た…

  • 7

    「傑作」「曲もいい」素っ裸でごみ収集する『ラ・ラ…

  • 8

    英ニュースキャスター、「絶対に映ってはいけない」…

  • 9

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 10

    ロシアはウクライナ侵攻で旅客機76機を失った──「不…

  • 1

    <動画>裸の男が何人も...戦闘拒否して脱がされ、「穴」に放り込まれたロシア兵たち

  • 2

    <動画>ウクライナ軍がHIMARSでロシアの多連装ロケットシステムを爆砕する瞬間

  • 3

    <動画>ロシア攻撃ヘリKa-52が自軍装甲車MT-LBを破壊する瞬間

  • 4

    ロシアはウクライナ侵攻で旅客機76機を失った──「不…

  • 5

    ここまで効果的...ロシアが誇る黒海艦隊の揚陸艦を撃…

  • 6

    最新の「四角い潜水艦」で中国がインド太平洋の覇者…

  • 7

    またやられてる!ロシアの見かけ倒し主力戦車T-90Mの…

  • 8

    レカネマブのお世話になる前に──アルツハイマー病を…

  • 9

    完全コピーされた、キャサリン妃の「かなり挑発的な…

  • 10

    「超兵器」ウクライナ自爆ドローンを相手に、「シャ…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中