ニュース速報

ビジネス

YCCの今後の展開、あらゆる選択肢排除しない=内田日銀副総裁

2023年03月29日(水)12時07分

日銀の内田真一副総裁は29日の衆議院財務金融委員会で、イールドカーブ・コントロール(YCC)の今後の展開について、日本経済や物価安定のために必要なら「あらゆる選択肢を排除しない」と語った。資料写真、2月(2023年 ロイター/Issei Kato)

[東京 29日 ロイター] - 日銀の内田真一副総裁は29日の衆議院財務金融委員会で、イールドカーブ・コントロール(YCC)の今後の展開について、日本経済や物価安定のために必要なら「あらゆる選択肢を排除しない」と語った。

階猛委員(立憲民主党・無所属)の質問に答えた。内田副総裁が国会で答弁するのは20日の就任後、初めて。

内田副総裁は「2%(目標)に近づいていく過程では、さまざまなことが考えられる」と指摘。いま行われていないことも含めて考えていくのがわれわれの役割だと述べた。

市場とのコミュニケーションについては、金融市場に政策意図を正確に伝えることは重要だが、毎回の金融政策決定会合の前に会合内容を先取りするような情報発信は「通常やらないし、やるべきでもない」と述べた。

YCCについて、階委員が長期金利の変動幅の再拡大や誘導目標の短期化など漸進的に修正していくのが適切か、投機的な動きを封じるためにYCCを一気に撤廃するのが適切か問いただしたが「事前にこういう政策をすべきだ、こう考えられるべきだと今の時点で申し上げるのは不適当だ」と述べ、明言しなかった。

内田副総裁は、イールドカーブ全体が1.5%ポイント上昇した場合、日銀保有国債の評価損は約50兆円程度になるとの試算も示した。

(和田崇彦)

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米金利先物、9月利下げ確率60%に小幅上昇 PCE

ビジネス

ドル34年ぶり157円台へ上昇、日銀の現状維持や米

ワールド

米中外相会談、ロシア支援に米懸念表明 マイナス要因

ビジネス

米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比+2
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中