ニュース速報

ビジネス

東芝への対応は経産省として「当然のこと」、独自調査は行わず=経産相

2021年06月15日(火)12時35分

 6月15日、梶山弘志経済産業相は、国の安全確保が損なわれる恐れがある場合には、関係する個別企業への対応を行うこともある、と述べた。都内で11日撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 15日 ロイター] - 梶山弘志経済産業相は15日の閣議後会見で、東芝は安全保障の観点から国の重要な企業と位置付け、外部弁護士による調査報告書で指摘された経産省の東芝への対応は「経産省の政策として当然のことを行っているまで」とした。また、報告書にある事実関係には疑問を持たざるを得ない部分もあるとし、経産省として独自調査を行わない考えも明らかにした。

梶山経産相は、今回の報告書は「社内の調査の報告書という位置付けでみている。全て事実だとは思っていない」との受け止めを示した。その上で「推論で断定されたものについては(根拠が)明確ではないため、ひとつひとつコメントする予定はなく、(独自)調査をする予定もない」と述べた。

東芝の調査報告書には、経産省と東芝が一体となって一部株主に不当根影響を与えたと記載されている。梶山経産相は、コーポレートガバナンスは重要であり、一般論としては「個別企業に今回のような対応を行うことはない」とした上で、「ただし、国の安全確保は経済活動の大前提となるもの。国の安全確保や事業や技術の発達という大前提が損なわれる恐れがある場合には、当然、それに関係する個別企業への対応を行うこともある」と述べ、今回の対応には問題がなかったとの認識を示した。

梶山経産相は、東芝を福島第1原子力発電所の廃炉事業への取り組みのほかレーダーなど国の安全保障に関する技術開発を担っているトップメーカーと位置付け「日本にとって重要な企業だと認識している」と述べた。

今後については「東芝の動きを注視していく」との従来の姿勢を改めて示した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

フジHD、株式買い増しはTOBでと旧村上系から通知

ワールド

北京市、住宅購入規制さらに緩和 需要喚起へ

ビジネス

26年度の超長期国債17年ぶり水準に減額、10年債

ワールド

フランス、米を非難 ブルトン元欧州委員へのビザ発給
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これまでで最も希望が持てる」
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 6
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 7
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 8
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中