ニュース速報

ビジネス

日経平均は急反落、今年2番目の下落幅 金利上昇に警戒感

2021年05月11日(火)15時53分

 5月11日、東京株式市場で日経平均は急反落。今年2番目の下落幅を記録した。2018年10月、東京株式市場で撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 11日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は急反落。今年2番目の下落幅を記録した。米消費者物価指数(CPI)の発表を12日に控えて金利上昇に対する警戒感が強まり、幅広く売られる展開になった。日経平均は再び75日移動平均線(2万9275円97銭=11日現在)を大きく下回り、市場で台頭した不安感を増幅させている。

米国株式市場は軟調。ナスダック総合指数の下げは2%を超えた。物価上昇への懸念が広がる中、ハイテク銘柄といったグロース株への売りが膨らんだ。

これを受けて日本株は、朝方から売り優勢の展開。米CPIの発表を明日に控え、金利上昇に対する懸念が急速に高まってきたことが大幅安の背景として大きいという。目先的にリスク要因があるため、目立った押し目買いが入らず、後半もきょうの安値水準近辺で底ばいとなった。

市場では「長期金利が急上昇した場合、株価は前触れもなく崩落するフラッシュクラッシュが起きる可能性も生じるため、それを警戒しているのではないか。米CPIの発表を前に、ヘッジ売りやポジション縮小の動きが活発化したようだ」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との声が聞かれる。

一方、「鉄鋼や海運など市況関連株は底堅く、全面安とはならなかった。地合いが落ち着いた後は、これらが戻り相場をリードするのではないか」(雨宮総研代表の雨宮京子氏)との指摘もあった。

TOPIXは2.37%安。東証1部売買代金は、2兆9567億6900万円だった。東証1部33業種では海運業を除いた32業種が値下がり。個別では、トヨタ自動車など主力銘柄が総じて軟調なほか、東京エレクトロンなど値がさハイテク株に下げがきつい銘柄が目立つ。半面、日本製鉄が逆行高した。

東証1部の騰落数は、値上がり169銘柄に対し、値下がりが1989銘柄、変わらずが33銘柄だった。

終値 前日比 寄り付き    安値/高値  

日経平均 28608.59 -909.75 29238.56 28535.36

─29289.12

TOPIX 1905.92 -46.35 1938.45 1901.97

─1942.43

東証出来高(万株) 128914 東証売買代金(億円) 29567.69

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、156円台前半 FRB政策

ワールド

米下院特別委、中国軍の台湾周辺演習を非難 「意図的

ワールド

仏独英、中国の台湾周辺軍事演習に懸念表明 一方的な

ワールド

サウジ、イエメン南部の港を空爆 UAE部隊撤収を表
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中