ニュース速報

ビジネス

豪中銀、政策金利を0.10%に据え置き 経済見通し引き上げ

2021年05月04日(火)17時01分

オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は4日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.10%に据え置くとともに、2024年まで超緩和的な政策を維持する方針を改めて示した。シドニーで3日撮影。(2021年 ロイター/Loren Elliott)

[シドニー 4日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は4日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.10%に据え置くとともに、2024年まで超緩和的な政策を維持する方針を改めて示した。

一方、豪経済は「予想より堅調」なペースで拡大する見込みとし、今年の成長率見通しを上方修正した。

ロイター調査ではアナリスト25人中1人を除く全員が政策金利の据え置きを予想していた。

中銀は2021年の経済成長率見通しを4.75%とし、2月時点の3.5%から引き上げた。

失業率は21年末に約5%、22年末に4.5%前後に低下すると予想。2月時点では22年末までに5.5%に低下すると見込んでいた。

経済見通しの詳細は7日の日本時間午前10時30分に公表される。

ロウ総裁は声明で「豪経済の回復は予想よりも力強く継続すると予想する」とし「企業投資が拡大し、家計も過去1年のバランスシート強化に支えられるとみられる」と述べた。

ただ政策金利については、2024年半ばまで据え置く姿勢を示した。

フィデリティのクロスアセット・スペシャリスト、アンソニー・ドイル氏は「豪中銀は、景気回復に水を差すことを懸念し、拙速な金融引き締めを依然恐れている」と述べた。

<住宅市場過熱を警戒>

豪中銀は昨年、3度の利下げを実施し、3年物国債利回りを0.1%に維持するための措置を発表。長期債を対象とした大規模な量的緩和にも着手した。

ロウ総裁は声明で、1000億豪ドル(774億米ドル)の量的緩和第2弾終了後の将来の債券買い入れについて7月の理事会で検討する方針を示した。

「完全雇用とインフレの目標に向けた進展を支えるため、理事会は追加の債券買い入れを実施する用意がある」とし、「理事会は完全雇用への回帰に高い優先度を置いている」と述べた。

金融・財政の強力な刺激策により不動産市場は過熱、価格は最高値水準にある。

住宅需要は居住目的が主導していたが、直近のローン承認データによると投資目的も増えている。ナショナル・オーストラリア銀行のエコノミスト、タパス・ストリックランド氏は「投資家の動きがさらに過熱すれば、市場安定化に向け規制が発表される可能性がある」と述べた。

声明は住宅価格の上昇を指摘、住宅資金借り入れ状況を注意深く監視していると表明した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 7
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中