ニュース速報

ビジネス

中国の3月新規融資は予想上回る、社会融資総量は伸び鈍化

2021年04月12日(月)19時29分

 中国人民銀行が発表した3月の新規人民元建て融資は2兆7300億元(4165億8000万ドル)で、前月(1兆3600億元)から増加した。アナリスト予想も上回った。写真は人民元紙幣。上海で2011年1月撮影(2021年 ロイター/Carlos Barria)

[北京 12日 ロイター] - 中国人民銀行が発表した3月の新規人民元建て融資は2兆7300億元(4165億8000万ドル)で、前月(1兆3600億元)から増加した。アナリスト予想も上回った。

ロイターがまとめたアナリスト予想は2兆4500億元。前年同月は2兆8500億元だった。

ロイターの算出によると、第1・四半期の人民元建て融資は7兆6700億元で過去最高となる。これまでの最高は、当局が新型コロナウイルス対応で異例の対応に動き始めた前年同期の7兆1000億元。

融資の急増は当局の懸念につながっている。関係者は先月ロイターに、当局が国内金融市場のバブルによるリスク回避のため銀行に今年は融資残高を減らすよう指示したと明らかにした。

3月の融資急増にもかかわらず、3月末時点の人民元建て融資残高は前年比12.6%増にとどまった。2月は12.9%増、アナリスト予想は12.6%増だった。

コメルツ銀行のシニアエコノミストは、「個人的には、社会融資総量が重要な指標と考えている。3月は比較的低水準だったが、伸びの鈍化が続けば融資の縮小が明白になる」と述べた。

銀行融資のほか新規株式公開、信託会社の融資、債券発行などを含む社会融資総量残高は、3月末時点で前年比12.3%増の294兆5500億元(44兆9500億ドル)だった。2月の13.3%増から伸びが鈍化した。

また、3月の社会融資総量は3兆3400億元で、2月の1兆7100億元から増加したものの、アナリスト予想の3兆7000億元を下回った。

中国の融資動向は、金融引き締めへの懸念が強まる中、投資家の注目材料となっている。

人民銀行は昨年急増した国全体の債務の安定化を目指す一方、急激な政策シフトは回避し中小企業の支援を継続する方針を示している。

政府は、過熱する国内不動産市場に関連した金融リスクへの懸念を強めている。銀行や地方政府は、事業融資が不動産に流れないよう指導を受けている。

昨年人民銀行は利下げや預金準備率の引き下げなど、さまざまな措置を打ち出した。ただ、最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)は5月以降据え置かれている。

キャピタル・エコノミクスのアナリストは、今年融資の伸びがさらに鈍化すると予想。人民銀行が融資の管理を指示したり、地方債の発行割り当てが縮小したことを要因に挙げた。

その上で「融資の変化の影響が明らかになるには、6カ月程度かかる。影響は下半期にさらに大きくなる」と指摘した。

マネーサプライM2伸び率は前年比9.4%で、アナリスト予想の9.6%と2月の10.1%から鈍化した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ2都市にロシアが攻撃、和平協議直後

ビジネス

乳児ボツリヌス症の集団感染、バイハート社の粉ミルク

ワールド

北朝鮮抑止「韓国が主な責任」、米国防総省が関与縮小

ワールド

トランプ政権のEVインフラ助成金停止は違法、米地裁
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な一部」ではないと指摘
  • 3
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 4
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 5
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 8
    コンビニで働く外国人は「超優秀」...他国と比べて優…
  • 9
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 10
    3年以内に日本からインドカレー店が消えるかも...日…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な一部」ではないと指摘
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 10
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中