ニュース速報

ビジネス

関西景気、コロナ影響長期化で下振れリスク高い=日銀大阪支店長

2021年01月14日(木)16時44分

 1月14日、 日銀の山田泰弘大阪支店長(理事)は、地域経済報告(さくらリポート)では景気判断を据え置いたものの、経済の下振れリスクに警戒感を示した。大阪で昨年3月撮影(2021年 ロイター/Edgard Garrido)

[東京 14日 ロイター] - 日銀の山田泰弘大阪支店長(理事)は14日、支店長会議後の記者会見で、地域経済報告(さくらリポート)では景気判断を据え置いたものの、経済の下振れリスクに警戒感を示した。管内の京都府、大阪府、兵庫県で緊急事態宣言が発令されたことで、サービス業を中心に「相応に大きな影響が出てくる」と指摘した。

山田理事は、旅行、宿泊、飲食業などに影響があると指摘。一方、百貨店など小売業は前回の緊急事態宣言時と異なり、営業時間の短縮などで対応し、完全に閉店するわけではないと指摘。モノの消費の持ち直しの動きが大きく変化するとは考えていないと語った。

日銀が14日発表したさくらリポートでは、全9地域中、3地域の景気判断を引き上げる一方、1地域の判断を引き下げた。近畿は、新型コロナウイルス感染症の影響で依然として厳しい状態にあるものの、全体として持ち直しの動きが続いているとして、前回10月から据え置いた。

関西は、輸出・生産が持ち直し、個人消費も堅調な動向を示している。一方、サービス消費は年末年始に需要が大幅減となったことに加え、緊急事態宣言で今後も厳しい状況が予想されるという。設備投資計画は「12月の短観を見る限り、製造業・非製造業とも下方修正は小幅にとどまり、関西では前年比プラスを維持している」と指摘した。ただ、感染症の影響が長期化する中で「経済の下振れリスクは高い」との見解を示した。

管内で緊急事態宣言が発令されたことについては、大阪の飲食業から「赤字が避けられない」、「収益が低下する」といった声が聞かれたという。山田理事は食品業など関連業種にも影響が出てくるとの見方を示した。

(杉山健太郎 編集:山川薫)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、レバノンにヒズボラ武装解除要請 失敗な

ワールド

AIを国際公共財に、習氏が国際機関構想アピール A

ワールド

トランプ氏、エヌビディアの最先端半導体「中国など他

ビジネス

サハリン2のLNG調達は代替可能、JERAなどの幹
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中