ニュース速報

ビジネス

中国の格付業界に規制機関が警鐘、実態にそぐわない格上げ指摘

2020年12月04日(金)15時58分

Guests check a panel displaying bond trading during the launching ceremony of Bond Connect at Hong Kong Exchanges in Hong Kong, China July 3, 2017. REUTERS/Bobby Yip - RC1565D592D0

[上海 4日 ロイター] - 中国銀行間債券市場の規制機関、中国銀行間市場交易商協会(NAFMII)は、最近の高格付け国有企業のデフォルト(債務不履行)を受けて行った国内格付け業界の見直しで、実態にそぐわない格上げなど、業界全般にわたる問題があると指摘した。

NAFMIIは「特定の格付け機関が実施している発行体格付けの引き上げは、明らかに業界平均を上回っており、実態にそぐわない格上げなど潜在的なリスクが存在する」との見方を示した。11月30日付のNAFMIIの声明が3日ウェブサイトに掲載された。

中国の社債の大半は、デフォルトリスクやプライシングのガイダンスがほとんどないAA以上の格付けを誇る国内企業によって発行されている。ただ、最近のAAA格付けの国有企業の一連のデフォルトを受けて、投資家の間では安全とされる格付けに対する信頼が揺らいでいる。

NAFMIIによると、改善が必要な格付けモデルやデータベース、格付業務システムの不備、格付けプロジェクトの品質管理の問題、不完全なファイリング情報などが多数企業で発覚したという。

報告書では、国内の格付け会社のほか、S&Pグローバル・レーティングやフィッチ・レーティングスの100%出資子会社など10社が対象になっている。

NAFMIIによると、第3・四半期に行われた格付け変更のうち、格上げは54件あったが、格下げは35件にとどまった。また、大公グローバル・クレジット・レーティングについては、第3・四半期の発行体格上げ件数が17件と最も多かった。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ワールド

米英欧など18カ国、ハマスに人質解放要求

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中