ニュース速報

ビジネス

世界経済、コロナ危機の峠越す 来年は4.2%の成長=OECD予想

2020年12月01日(火)19時31分

経済協力開発機構(OECD)は1日、最新の世界経済見通しを発表した。新型コロナウイルスが再び多くの国で猛威を振るっているが、ワクチンの開発進展や中国主導の回復を背景に見通しが改善した。コロナウイルスのイメージ写真。(2020年 ロイター/Dado Ruvic)

[パリ 1日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は1日、最新の世界経済見通しを発表した。新型コロナウイルスが再び多くの国で猛威を振るっているが、ワクチンの開発進展や中国主導の回復を背景に見通しが改善した。

OECDは来年の世界経済の成長率を4.2%、2022年は3.7%と予想した。今年は4.2%のマイナス成長を見込む。

9月時点では2020年はマイナス4.5%、21年は5%のプラス成長を予想していたが、欧州や米国が新型コロナ感染第2波に見舞われていることを受け、来年の見通しを引き下げた。

OECDのチーフエコノミスト、ローレンス・ブーン氏は「われわれは危機を脱したわけではない。まだパンデミック(大流行)の真っ只中にあり、政策はまだすべきことが多くある」と指摘した。

OECDは中国の力強い回復がけん引し、世界の国内総生産(GDP)は2021年末までに新型コロナ危機以前の水準に戻ると予想した。

しかし国によって大きなばらつきがあり、多くの国・地域では2022年のGDPが危機前の水準を約5%下回るとみられている。

今年プラス成長が期待されるのは中国だけで1.8%の伸び率となる見込み。9月の前回予想からは据え置かれた。2021年に8%へ加速した後、22年は4.9%に減速すると予想した。

米国のGDPは今年3.7%減となり、2021年は3.2%、22年は3.5%のプラス成長に戻るとしている。新たな財政刺激策が打ち出されることが前提となっている。9月時点の予想では今年の成長率がマイナス3.8%、来年はプラス4%だった。

ユーロ圏の今年のGDPは7.5%減と予想した。ロックダウン(都市封鎖)の再導入で多くの国で景気が二番底に陥るとみられる。2021年は3.6%、22年は3.3%のプラス成長を見込む。

9月の予想では今年がマイナス7.9%、来年はプラス5.1%だった。

日本成長率見通しは今年がマイナス5.3%、21年プラス2.3%、22年がプラス1.5%。9月時点は今年がマイナス5.8%、来年がプラス1.5%だった。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米国務長官、NATO会議欠席へ ウ和平交渉重大局面

ビジネス

米国株式市場=5営業日続伸、感謝祭明けで薄商い

ワールド

エアバス、A320系6000機のソフト改修指示 運

ワールド

感謝祭当日オンライン売上高約64億ドル、AI活用急
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 6
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 9
    エプスタイン事件をどうしても隠蔽したいトランプを…
  • 10
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 7
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中