ニュース速報

ビジネス

東芝の大株主、議決権行使の集計に疑義 外部調査を要求=書簡

2020年08月14日(金)20時19分

 14日、東芝の大株主のファンド、3Dインベストメント・パートナーズが、先月31日に開かれた株主総会での投票の処理が適切だったかについて外部による調査を要請していることが分かった。3Dが東芝の社外取締役に送った書簡の内容をロイターが確認した。3Dが事前行使した議決権の一部が結果に反映されていないと主張している。2017年撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 14日 ロイター] - 東芝<6502.T>の大株主のファンド、3Dインベストメント・パートナーズが、先月31日に開かれた株主総会での投票の処理が適切だったかについて外部による調査を要請していることが分かった。3Dが東芝の社外取締役に送った書簡の内容をロイターが確認した。3Dが事前行使した議決権の一部が結果に反映されていないと主張している。

書簡は今月9日付。3Dが行使した4.2%の議決権のうち、1.1%分が反映されておらず、集計した株主名簿管理人の三井住友信託銀行に問い合わせたところ、議決権行使書用紙が届いたのが、事前行使の期限とされた7月30日の翌日だったためとの説明を受けたという。

3Dは、代理人の証券会社を通じて27日に都内から用紙を郵送しており、同じく都内にある三井住友信託の事務センターに31日に届いたという説明を「不合理な弁明」と指摘している。また、残りの議決権は別の代理人を通じて28日に用紙を郵送し、翌29日に届いていたという。

今回の株主総会で3Dは、自社の推薦する社外取締役2人の選任を提案したほか、東芝の車谷暢昭代表執行役社長(CEO)と藤森義明社外取締役の取締役選任に反対すると明らかにしていた。一方、東芝は総会に向けて社外取締役10人を含む12人の選任を提案し、株主提案に反対の立場を表明していた。

東芝が4日に発表した結果によると、車谷社長の再任への賛成は57.96%で、同氏が2018年に東芝の最高経営責任者(CEO)に就いて以来、最低の水準となった。3Dの提案は否決された。

書簡で3Dは、過去の総会を含め、議決権行使が適切に扱われてきたかを検証する外部調査委員会の設置を要求した。適切な対応がなされなければ、株主名簿管理人に対する証拠開示を求める手続きや東京証券取引所に対する情報提供といった措置を採ることを検討するという。

3Dの議決権行使が全て反映されたとしても、結果が覆ることはないが、このような株主総会運営によって「ほかにも多くの株主の議決権行使が妨げられていた事実が存在するのではないかと、当社は、強く憂慮」していると書簡で指摘した。

東芝の広報担当者は、個別の株主とのコミュニケーションについては回答を差し控えるとしつつ「事前行使された議決権の集計は株主名簿管理人が行うこととなっており、株主名簿管理人において事実関係の調査を行っているが、現在のところ集計事務は適切に行われたとの報告を受けている」としている。三井住友信託は「個別の案件については回答を控える」とした。

(山崎牧子 編集:平田紀之)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フロリダよりパリのディズニーへ、カナダ人

ビジネス

NY外為市場=ドル横ばい、米CPI受け 円は週間で

ビジネス

米国株式市場=3指数が週間で下落、AI巡る懸念継続

ワールド

トランプ氏、有権者ID提示義務化へ 議会の承認なく
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の定説に挑む、3人の日本人科学者と外科医
  • 4
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 5
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベル…
  • 6
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    毛沢東への回帰? それとも進化? 終身支配へ突き…
  • 9
    「ドルも弱い」なのになぜ、円安が進む? 「ドル以外…
  • 10
    「賢明な権威主義」は自由主義に勝る? 自由がない…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中