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ANA、今年度の業績予想再び見送り 4—6月期は最終赤字1088億円

2020年07月29日(水)19時20分

7月29日、ANAホールディングスが発表した2020年4―6月期連結決算では、純損益が1088億円の赤字(前年同期は114億円の黒字)だった。羽田空港で2018年1月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 29日 ロイター] - ANAホールディングス<9202.T>が29日発表した2020年4―6月期連結決算は、純損益が1088億円の赤字(前年同期は114億円の黒字)だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で旅客需要が急減した。21年3月期(今期)の連結業績予想・配当予想の公表は、5月の前期決算発表時に続いて再び見送った。感染拡大の影響を合理的に算定することが困難なため。

4―6月期の営業損益は1590億円の赤字(前年同期は161億円の黒字)だった。大規模な減便で燃油費・空港使用料などを削減したほか、社員の一時帰休や役員報酬の減額などで人件費も抑制したが、営業損失がかさんだ。純損益・営業損益の赤字額はともに、四半期決算の開示が始まった04年3月期以来、四半期ベースで最大となった。

福沢一郎取締役はオンライン会見で、春先にはコロナ収束の時期を8月の前提でみていたが、「確実に遠のいている」と指摘。「国内線の打ち止め感が出ているが、夏場以降、慎重に見極める必要がある」とし、「予断を許さず需要動向を見極めて対策を講じていきたい」と述べた。旅客需要は「国内線は21年度末、国際線は23年度末にかけて緩やかに回復する」との見通しを示した。

コロナの収束時期が見通せない中、福沢氏は、引き続きキャッシュの流出を抑え、コスト削減や事業構造改革を進めると強調した。コスト削減については、4―6月期に実施した1620億円を含めて通期で2550億円を計画する。内訳は、変動費で約1800億円、人件費抑制や一時帰休に伴う雇用調整助成金などで約560億円、「不要不急のコストに制限を設けるマネジメント」(同氏)で200億円弱を見込む。

人員削減は予定しておらず、「従業員の雇用は守りながら危機を乗り越える方針」。

資金調達については、短期も長期もコミットメントラインも押さえたと説明。春先に実施した調達で手元資金は厚くなっており、「一定期間、当面の間は持ち堪えられるように行った」として今後、逐一行うことを予定していないという。

4―6月期の売上高は前年同期比75.7%減の1216億円だった。福沢氏は、売上高に一番貢献したのが国際貨物事業で、落ち込んだ収益の「下支えにしたい」と述べた。足元の貨物需要は、単価のピークは少し落ち着いたが、船便からのシフトなど「期待できるところは大きい」と語った。

公表を見送った今期の業績予想については、中間決算の時点で一定の前提を置きながら開示することを目指す。

調査会社リフィニティブが集計したアナリスト8人の今期純損益の予測平均値は2356億円の赤字となっている。

*内容を追加しました。

(白木真紀 編集:内田慎一)

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