ニュース速報

ビジネス

米経済に「濃い霧」、FRB当局者が相次ぎ懸念表明

2020年07月15日(水)07時47分

米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は14日、米経済の先行きに多大な不確実性が存在するため、FRBはフォワードガイダンス(将来の政策方針)に加え、大規模な資産買取制度を持続的に活用すべきという考えを示した。ワシントンのFRB本部で2018年7月撮影(2020年 ロイター/Leah Millis)

[ワシントン 14日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者らは14日、米国各地で新型コロナウイルスの感染者が急増する中、米景気回復は予想よりも遅れる見通しだとし、感染第2波の広がりによって再び経済が深刻な打撃を受ける可能性があると警告した。

FRB当局者らはこのところ経済に対する悲観的な見方を強めており、雇用の伸びなど最近の指標の改善が一時的にすぎない可能性を懸念している。

ブレイナード理事は「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が経済動向の鍵を握る。依然として不確実性という濃い霧に覆われており、下方リスクが目立つ」と指摘。FRBはフォワードガイダンス(将来の政策方針)に加え、大規模な資産購入策を持続的に活用すべきという考えを示した。

また、最初の感染拡大を受けて導入された政府の景気支援策が近く期限を迎えることを踏まえ、追加の財政支援策が力強い回復に「不可欠」だとした。

新型コロナの広範な第2波が到来すれば、回復の腰折れや景気の二番底、さらには金融市場の変動などを招く恐れがあると警告。「ノンバンクの金融機関が再び圧力を受ける可能性がある。一部の銀行は損失が拡大すれば、融資を縮小させるかもしれない」と述べた。

リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、コロナ禍による景気後退が予想よりも長期化する可能性に備え企業がリストラを実施し、政府による「給与保護プログラム(PPP)」など一連の支援策が終了すれば、失業者が再度増加に転じる可能性があるとの認識を示した。

同総裁は、失業を巡り「複雑に混じり合う」要素が存在すると指摘。企業の間では現況が2カ月程度で過ぎ去ることはないとの認識が浸透し、事業を見直す動きとなっており、ここ2カ月で確認されている雇用の強い伸びを脅かす可能性があると述べた。

ダラス地区連銀のカプラン総裁は「失業率は高く、多くの過剰生産能力が存在している。圧倒的なトレンドはディスインフレになる」と述べた。

米国では新型コロナの感染者急増を受け、一部の州が経済再開プロセスを後退・停止させている。

フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は、感染者の急増により、強制的な事業閉鎖という経済への直接的な影響と、消費者信頼感に与える心理的な影響の双方が懸念されるとした。

セントルイス地区連銀のブラード総裁は、米経済が下半期も成長を続けると予想し、幾分楽観的な見方を示しつつ、「下方リスクは大きい。リスクに基づくきめ細かい対策が景気後退の回避に向け重要になる」とした。

コロナ禍に家計と企業を引き続き支援するため、議会が今月末までに「大規模な」財政刺激策を承認することを期待するとも述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

最近の急速なウォン安・円安、深刻な懸念共有=日韓対

ワールド

米戦略石油備蓄の第1弾、来週末までに供給 8600

ビジネス

日立とGEベルノバ、東南アジアで小型モジュール炉導

ワールド

米商務省、AI半導体輸出の新規則案を撤回 公表から
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革命をもたらす「新世代ドローン」とは?
  • 3
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈祷」を中国がミーム化...パロディ動画が拡散中
  • 4
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 5
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 6
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 7
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 10
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 8
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中