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エアバス、1年以内に1.5万人削減 コロナ危機受け
6月30日、欧州航空機大手・エアバスは、1年以内に1万5000人を削減する計画を30日に発表した。写真は仏国内で4月撮影(2020年 ロイター/Stephane Mahe)
[トゥールーズ(フランス)/パリ 30日 ロイター] - 欧州航空機大手・エアバス
エアバスは、新型コロナの影響で向こう2年間の生産が当初計画より40%減少すると想定している。
ギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は、航空業界が置かれている深刻な危機を踏まえると、他に選択肢はなかったと説明。「直視せざるを得ない現実であり、エアバスの長期的な見通しを確保しようとしている」と述べた。
国別の削減数はフランスが5000人、ドイツが5100人、スペインが900人、英国が1700人、その他が1300人。2021年半ばまでに削減する。これに加え、コロナ危機前に発表した独プレミアム・エアロテック部門での900人も含めて約1万5000人の削減となる。エアバスは世界全体で13万5000人を雇用する。
まず、自主退職や早期退職などを募るとしたが、強制解雇の可能性も排除していない。
人員削減を巡っては、各国政府や労働組合との厳しい協議が予想される。エアバスの発表を受け、組合はすでに強制解雇に抵抗する構えを示している。2008年のリストラの際には、ストライキや抗議活動が起きた経緯がある。
労組「CFE─CGC」のフランソワーズ・バリン氏は「雇用を守るため大きな戦いになる」と述べた。
英国の労組「ユニオン」は、エアバスの計画を「産業界の破壊行為」と非難。他の組合も強制解雇に反対する考えを示した。
航空業界への150億ユーロの支援策を6月に発表したフランス政府からも、批判の声が上がっている。仏財務省関係者は「エアバスが発表した削減数は行き過ぎだ。政府が用意した手段を全面的に活用して、人員削減を抑えることを期待する」と述べた。
*内容を追加しました。