ニュース速報

ビジネス

国内企業物価指数3月は前年比-0.4%、原油・化学製品の価格下落で

2020年04月10日(金)10時46分

 4月10日、日銀が発表した3月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年比でマイナス0.4%となった。都内で2018年3月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 10日 ロイター] - 日銀が10日に発表した3月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年比でマイナス0.4%となった。マイナスに転じたのは2019年10月以来。前月比は0.9%低下で、2カ月連続のマイナスとなった。

新型コロナウイルスの感染拡大が中国から米国や欧州など世界的に広まったことを受け、原油をはじめ石油・石炭製品や非鉄金属など市況性の強い製品の価格下落が、前年同月比の上昇率縮小に寄与した。

石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国で構成される「OPECプラス」の追加減産協議がいったん決裂したことで原油価格が急落し、指数全体の押し下げにつながった。

消費税を除いたベースでは前年比2.0%低下、前月比では0.9%低下で、ともに2カ月連続マイナスだった。

消費税を除くベースで、前月比の下落に最も寄与したのは石油・石炭製品(同マイナス11.9%)で、2019年10月のマイナス15.5%以来の下げ幅となった。

続いて、非鉄金属(同マイナス9.3%)、化学製品(同マイナス2.7%)。いずれも、新型肺炎の感染拡大を受けて、海外市況での価格が下落したことが影響した。

消費税を除いた実力値ベースで上昇・下落した品目を数えると、公表744品目のうち、前年比で上昇したのは336品目、下落したのは331品目と、下落が上昇を5品目上回った。

足元では、10日午前の時点で原油価格が1バレル20ドル台前半で推移しており、原油安が続いている。

国内企業物価の先行きについて、日銀の担当者は「今月は、特に市況性の高い商品で価格の下落がみられたが、これによって他の項目にどのような影響が出るか、引き続き注視したい」と述べた。*内容を追加しました。

(浜田寛子)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国航空会社2社、エアバス機購入計画発表 約82億

ワールド

コロンビア、26年最低賃金を約23%引き上げ イン

ワールド

アルゼンチン大統領、来年4月か5月に英国訪問

ワールド

中国軍、台湾周辺で実弾射撃訓練開始 演習2日目
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 5
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 6
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 7
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中