ニュース速報

ビジネス

前場の日経平均は続落、買い材料乏しい 日銀の動きは意識

2020年04月02日(木)12時23分

 4月2日、前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比154円34銭安の1万7911円07銭となり、続落した。写真は2019年12月、東京証券取引所で撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung)Hoon

[東京 2日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比154円34銭安の1万7911円07銭となり、続落した。前日の米国株安が嫌気され、東京市場も朝方から売りが先行した。商いが薄い中、仕掛け的な売りが入り、下げ幅を一時350円超に拡大したが、日銀の動きが意識され、前引けにかけて下げ幅を縮めた。

3月末までは年金のリバランスの買いや配当再投資の買いなどが下値を支えたとみられるが、前日から名実ともに新年度相場入りしたことで、これらの支えが望めなくなった。買いが入らない中、売りに押されやすいという。下げ幅を350円超に拡大した場面でも、リスクコントロールファンドの売り仕掛けが入ったと観測が出ていた。

その後は下げ止まり、やや下げ幅を縮小した。日銀が1日に東京市場で買い入れた通常のETF(上場投資信託)が1202億円と、前回の2004億円から減少したことが投資家心理の負担となったが、前引けにかけては「日銀のETF買い観測が引き続き売り方へのけん制になった」(ストラテジスト)との指摘が出ている。

TOPIXは1.14%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆1324億円だった。東証33業種では30業種が値下がり。値下がり率上位には、空運、その他金融、金属製品、不動産などが入った。半面、鉱業、保険、石油・石炭は値上がりした。トランプ米大統領がサウジアラビアとロシアが数日以内に原油の価格戦争終結で合意できるとの見方を示したことが米原油先物の上昇を誘い、原油関連の支援材料となった。

東証1部の騰落数は、値上がりが273銘柄に対し、値下がりが1865銘柄、変わらずが29銘柄だった。

日経平均は下げ幅を拡大。1万7700円台まで下落した。ひと頃に比べて商いが細っており、そうした中でリスクコントロールファンドの売り仕掛けが入ったと観測されている。

市場では「先週の海外勢の売りが巨額だっただけに、日銀がETFの購入額を減額したことが、株価が下がった時に支えきれないと心理的に悪影響を与えたようだ」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との声が聞かれる。

財務省が2日発表した3月22日―3月28日の対外及び対内証券売買契約等の状況 (指定報告機関ベース)によると、対内株式投資は1兆4219億円の売り越しとなった。

一方、日銀が1日に東京株式市場で買い入れた通常のETF(上場投資信託)は1202億円で、前回30日の買い入れ額2004億円から減少。J-REITも20億円買い入れと、前回31日の40億円から減少した。

寄り付きの東京株式市場で、日経平均は前営業日比130円99銭安の1万7934円42銭となり、続落して始まった。米国株安を嫌気した格好だが、前日に日本株は先行して下げていたために、安寄りした後は落ち着いた動きとなっている。

市場関係者によると、寄り前の板状況は、トヨタ自動車<7203.T>、ホンダ<7267.T>、ソニー<6758.T>など主力の輸出関連株は売り優勢、前日に逆行高したNEC<6701.T>は買い優勢、指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>は売り優勢となっている。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

キオクシアHD株、ベインキャピタル系が一部売却 保

ビジネス

前場の日経平均は続伸、AI関連株などが押し上げ T

ワールド

アングル:スマトラ島豪雨被害、森林破壊で被害拡大か

ワールド

ベネズエラの変革は武力以外の方法で、ローマ教皇が米
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 3
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 4
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 5
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 6
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 9
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 10
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中