ニュース速報

ビジネス

第3四半期の独GDP速報値、前期比+0.1% 景気後退回避

2019年11月15日(金)01時34分

 11月14日、ドイツ連邦統計庁が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.1%増となり、景気後退(リセッション)を回避した。写真はフランクフルトで8月撮影(2019年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

[ベルリン 14日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.1%増となり、景気後退(リセッション)を回避した。市場予想の0.1%減を上回った。

第3・四半期のGDPは前年同期比(季節調整後)では0.5%増。第2・四半期は0.3%増だった。

第3・四半期は、家計消費が前期比で増加。政府支出も拡大した。建設業も経済成長を支えた。

アルトマイヤー経済相は「景気後退には陥っていないが、経済成長率はまだ低すぎる」と指摘。ただ、米国との通商問題や英国の欧州連合(EU)離脱などに関連する「暗雲」はやや解消したとの見方を示した。

ショルツ財務相は、来年の独経済は勢いを取り戻すとの見方を表明。経済は減速しているが、危機に陥っているわけではないとし、「慎重ながらも楽観的な見方を持っている。来年の成長率は上向く」と述べた。

輸出は小幅に増加したが、輸入は前四半期とほぼ同水準。純輸出は経済成長に寄与したとみられる。

統計庁は第2・四半期のGDPを当初発表の前期比0.1%減から0.2%減に下方修正した。

しかし第1・四半期のGDPはこれまでの0.4%増から0.5%増に上方修正した。

ロイターのアナリスト調査によると、第3・四半期のGDPは前期比0.1%減、前年同期比(季節調整後)0.5%増と予想されていた。

デカバンクのアナリスト、アンドレアス・ショイエレ氏は第3・四半期GDP統計を受け、景気後退は回避できたかもしれないが、危機的状況が去ったと判断するには時期尚早だと指摘。「ドイツ経済は非常に大きな世界的な政治不安に直面している。主力産業である自動車セクターは順調には進んでいない」と述べた。

バンクハウス・ランペのエコノミスト、アレクサンダー・クルーガー氏は、貿易を巡る見通しが依然不透明であるため、今後数四半期はわずかな成長にとどまると予想した。「中国の景気減速、世界的な貿易摩擦、英国のEU離脱を巡る混乱は、すべて経済の勢いの弱まりを示している」と指摘した。

ドイツ経済省は14日、第3・四半期の国内経済は依然として低迷しており、回復の兆しは見られないと表明。ドイツ企業は今後数四半期、輸出の回復を予想していないと指摘した。

同省は月報で「指標は景気回復を示唆していない。ただ、業況感の指標には一筋の希望が見られる」と指摘した。

*内容を追加しました。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

外国勢の米国債保有、9月は減少 日本が増加・中国減

ワールド

米クラウドフレアで一時障害、XやチャットGPTなど

ワールド

エプスタイン文書公開法案、米上下院で可決 トランプ

ビジネス

トヨタ、米5工場に1400億円投資 HV生産強化
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中