ニュース速報

ビジネス

米FRB議長「マイナス金利は不適切」、利下げ休止を示唆

2019年11月14日(木)05時57分

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は13日、上下両院合同経済委員会で証言し、トランプ米大統領が求めるマイナス金利は持続的な成長や強固な労働市場、安定的なインフレを備える米経済にとって適切ではないと述べた(2019年 ロイター/JAMES LAWLER DUGGAN)

[ワシントン 13日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は13日、上下両院合同経済委員会で証言し、トランプ米大統領が求めるマイナス金利は持続的な成長や強固な労働市場、安定的なインフレを備える米経済にとって適切ではないと述べた。

パウエル議長は90分間におよぶ公聴会で、FRBの責務は通商や移民、連邦政府支出を巡る政策を定めることや民主党候補者が提案する富裕税などを支援することではないと指摘した。

欧州で導入されているマイナス金利に関する質問に対しては「現在の環境においてマイナス金利が適切ではないことは確実だ」と応じ、「米経済は強固な状況にある。米国では経済成長、堅調な消費セクター、物価上昇が続いている。成長率やインフレ率が非常に低いときにより大きな経済圏でマイナス金利が導入される傾向があるが、米国には当てはまらない」と語った。

冒頭陳述では、米経済の「持続的な拡大」を予想しているとの見解を表明。「基本見通しは引き続き良好」とし、世界経済成長の減速や米中貿易摩擦の影響といった「留意すべきリスク」は存在するものの、「FRB当局者と私は経済活動が持続的に拡大する公算が極めて大きいと予想する」と述べた。

その上で「緩やかな経済成長、堅調な労働市場、2%目標近辺で推移するインフレ率」というFRBの見通しに沿い、「現在の金融政策スタンスは引き続き適切となる公算が大きい」と述べた。

さらに「見通しが著しく再評価」されない限り、FRBが利下げ余地を活用する可能性は低いとの認識を示した。

今年3回実施した利下げは「進行中のリスクに対する保険」として正当化されたと説明。利下げの効果は完全には浸透していないものの、「時間と共に表れるだろう」と述べた。

議長はまた、連邦政府債務を巡る懸念を表明。「景気後退局面において、高水準かつ増加する債務は経済活動を支援する意欲や能力を制限する恐れがある」と警鐘を鳴らした。

この日の証言内容は、10月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で示した見解をほぼ踏襲した。FRBは同FOMCで今年3回目となる利下げを実施し、利下げを今後休止する可能性を示唆した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

行き過ぎた円安是正し、物価を引き下げる=中道改革連

ビジネス

午後3時のドルは157円後半へ小幅安、リスク回避で

ビジネス

イオン、クスリのアオキ株保有目的から「友好関係維持

ビジネス

再送中国GDP伸び率、第4四半期は3年ぶり低水準 
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 2
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 3
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」も子に受け継がれ、体質や発症リスクに影響 群馬大グループが発表
  • 4
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 5
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 6
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 7
    「リラックス」は体を壊す...ケガを防ぐ「しなやかな…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    中国ネトウヨが「盗賊」と呼んだ大英博物館に感謝し…
  • 10
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 6
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中