ニュース速報

ビジネス

中国PPI、10月は前年比-1.6% CPIは約8年ぶりの高い伸び

2019年11月11日(月)07時34分

 中国国家統計局が発表した10月の生産者物価指数(PPI)は前年比1.6%低下と、2016年7月以来の大幅なマイナスだった。写真は9月、北京で撮影(2019年 ロイター/Tingshu Wang)

[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が発表した10月の生産者物価指数(PPI)は前年比1.6%低下と、2016年7月以来の大幅なマイナスだった。ロイターがまとめたアナリスト予想は前年比マイナス1.5%だった。

9月は1.2%低下していた。

国内製造業が需要減と米中貿易摩擦の影響に苦しむなか、政府が景気刺激策を続ける可能性が高まっている。

Changjiang証券のマクロアナリストは、不動産セクターからの重しが一段と顕著になるとの見方を示した。同セクターは政府の住宅投機取り締まりやデベロッパー向け融資を巡る政策引き締めに苦しんでいる。

同アナリストはまた、今後の物価情勢について「昨年の伸びが低いことが数カ月は少し支援するが、需要に下押し圧力がかかっており、生産者物価のデフレは続くだろう」と指摘。「前年比マイナスが続くかもしれない」と予想している。

一方、10月の消費者物価指数(CPI)は前年比3.8%上昇。2012年1月以来、ほぼ8年ぶりの高い伸びを示し、アナリスト予想(3.3%上昇)を上回った。9月のCPIは3%上昇していた。

アフリカ豚コレラの影響で、統計局によると10月の豚肉価格は前年比で2倍超に跳ね上がり、CPI上昇の60%以上を占めた。

食品とエネルギーを除くコア消費者物価は1.5%の上昇だった。

中国当局は2019年のCPI上昇率目標を3%前後としている。1─10月は2.6%上昇した。

ノムラのアナリストは1日付のリポートで「中国人民銀行(中央銀行)が緩和スタンスを継続すると見込んでいるが、豚肉価格が高騰し他の食品価格に影響を与える中、賃金・物価スパイラルが起きるリスクは高まっている」と分析。

「人民銀はインフレ期待の高まりを回避するため、今後数四半期に大規模な政策緩和を実施するのに一段と消極的になる可能性がある」と指摘した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

チェイニー元米副大統領が死去、84歳 イラク侵攻主

ビジネス

リーブス英財務相、広範な増税示唆 緊縮財政は回避へ

ワールド

プーチン氏、レアアース採掘計画と中朝国境の物流施設

ビジネス

英BP、第3四半期の利益が予想を上回る 潤滑油部門
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中